
年末が近づいてくると、不思議なもので少しだけ気持ちが浮つきます。忙しさは相変わらずなのに、「何か買ってもいいかな」という謎の免罪符が、頭の中にふわっと現れるんですよね。
そんな中で目に入ってきたのが、今年のゲームオブザイヤー受賞作品。正直に言います。
めちゃくちゃ面白そうでした
今まであまり触れてこなかったタイプのRPGやアクションゲーム。画面を見ただけで「これはヤバいやつだな」と分かる、あの感じです。
でも、今の自分はゲームをするのか?
ここでふと、我に返ります。
「……で、これ買って、遊ぶ時間ある?」
私は40代後半。あと2年ほどで50歳になります。
ゲームへの情熱が冷めたわけではありません。むしろ今でも好きです。ただ、1日があっという間に終わるんです。昔は「時間を潰す」という言葉を、何の違和感もなく使っていました。でも、今はもう使えません。
時間は潰すものじゃなくて、奪われていくものになりました。
空き時間が消えた日常
プラモデルは積み上がり、Netflixの視聴リストは減らないのに、なぜか毎日がパンパンです。
ありがたいことに、仕事も年間を通してずっと詰まっています。今だから言えますが、開業当初の冬なんて、一つのゲームを100時間以上プレイしても、お客様からの連絡が一切ない日もありました。
本当に、冬はゲームしかしていなかった時期があったんです。
15年経って、今なぜ忙しいのか
それから15年。なぜ今、こんなに問い合わせが増えたのか。
積み重ねてきたものも、もちろんあります。でも正直に言うと、「認知されている」とは、今でも思っていません。お客様から、必ずと言っていいほど言われます。
「え、こんなお店やってたんですね」と。
つまり、忙しくなった理由は困ったときに検索して、たまたま辿り着いた結果が、うちだけがしぶとく残ってるだけ、ということなのでしょう。
ゲームは「やるもの」から「観るもの」へ
自宅でも、ゲームを起動することはほぼなくなりました。代わりに増えたのは、配信動画です。
気がつけば、「やるゲーム」より「観るゲーム」の方が多くなっていました。それでも年末、ゲームオブザイヤーのタイトルを見ると、やっぱりワクワクしてしまうんですよね。
ソフトを買っていないのに。でもSteamのウィンターセール。50%オフ。やりたかったゲームが、ずらっと並ぶ。財布の紐が一瞬、緩みます。
でも、すぐに自分に問いかけます。
「これ、いつ遊ぶ?」
そして結局、買わずに終わる。この繰り返しです。
若さという最大のリソース
年々、思うことがあります。一番の贅沢って、若さじゃなくて「時間」だなと。
老後の楽しみ、という言葉がありますよね。でも、私はたぶん死ぬまで仕事をすると思います。
仮に老人になっても、ゲームをする時間が本当にあるのか。そう考えると、少しだけ寂しくなります。
なぜプラモデルは続いているのか
そんな中で、プラモデルだけは続いています。
理由はシンプルです。
- 物として残る
- 完成したときの達成感がある
クオリティの高い・低いは関係ありません。自分の手で完成させたものが目の前にある。この感覚は、正直、ゲームでは味わえないものがあります。
結論、若いうちに、好きなことをやれ
今回のゲームオブザイヤー受賞作。本音を言えば、むちゃくちゃ買いたいです。
でも、むちゃくちゃ時間がない。
結果、断念。ただの愚痴のような記事になってしまいましたが、これだけは言わせてください。
若いうちに、好きなことをやっておけ
ゲームでもいい。
遊びでもいい。
飲みでも、勉強でも、何でもいい。
人生の中盤から後半にかけて、時間は本当に、驚くほどなくなります。今でも時間を上手にやりくりして、ゲームを楽しんでいる人がいますが、あの人たちはもう、時間を上手に使うミュータントです。
そんなミュータントになれる保証は、誰にもありません。だからこそ、今、時間がある人は、好きなことを好きなだけやってください。お金があるかどうかじゃない。時間があるということ自体が、最高の贅沢です。
そんなことを、年末にしみじみ思った、そんな記事でした。














