
先日、とあるお客様から「Dellのノートパソコンがフリーズする」というご相談をいただきました。この手の症状で、ほぼ間違いなく最初に出てくるのが、
というお話です。
確かに、パソコン=熱に弱いというイメージは強いと思いますし、それ自体は間違いではありません。すが、今回のケースでは少し違いました。
発熱だけで「フリーズ」は実は起きにくい
まず前提としてお伝えしておきたいのですが、パソコンが単純に発熱した場合、多くは
- 強制シャットダウン
- 自動再起動
- 電源が落ちる
といった挙動になります。
つまり、「画面は表示されているのに、そのまま固まる」という症状は、純粋なCPUの熱暴走とは少し挙動が違うことが多いです。
サーモグラフィで確認してみると…
お客様から「裏側がかなり熱い」というお話があったため、サーモグラフィで内部の発熱を確認しました。
すると、CPUではなく、SSD(M.2)が高温になっていることが分かりました。
簡単に言えば、
- SSDの経年劣化
- もしくはSSD自体の故障・破損
これが原因で発熱していた、という状態です。
CPUではなくSSDが原因というケースは増えています
どうしても体感としては、
- キーボード周辺が熱い
- 底面が熱い
=CPUが原因
と考えがちですが、最近はSSD(特にM.2)が原因のケースも珍しくありません。特に、
- 6〜7万円前後で購入できたノートPC
- 標準搭載されているSSD
このあたりは、そこまで高耐久・高性能なSSDが使われていないことも多く、比較的短命な場合があります。
SSDの寿命はどのくらい?
統計的なお話にはなりますが、
- 早いもので 2〜3年
- 平均すると 5年前後
このあたりがSSDの故障・劣化が目立ち始める時期と言われています。もちろん、
- まったく壊れない方もいます
- 逆に2〜3年以内に壊れてしまう方もいます
使い方や個体差による部分が大きいのも事実です。
熱対策をしても直らないのがSSDの難点
CPUであれば、
- グリス塗り替え
- ファン清掃
- 冷却強化
といった対策がありますが、SSD(特にノートPCのM.2)に関しては、
- 放熱シートを貼る
- ヒートシンクを付ける
といった対策が構造的に難しいことも多いです。正直なところ、一般の方がノートPCを開けて「SSDに放熱シートを貼る」という作業は、あまり現実的ではありません。
今後もしDELLのノートPCを買うなら
私個人の考えとしては、
- SSDにヒートシンクが付けられる構造なら付けたい
- もしくは、SSD交換という選択肢もアリ
だと思っています。
ただし、現在はSSD自体の価格もかなり高騰していますので、そこは悩ましいところでもあります。
フリーズ=CPUとは限らない
話をまとめると、
- 電源は入る
- 画面も表示される
- でも途中でフリーズする
この場合、
- CPUは問題ない
- メモリも問題ない
- 液晶パネルも問題ない
- マザーボードの可能性も低い
つまり、読み書きをしている部分=SSDここが止まっている可能性が高い、という考え方になります。
「本当にSSDなの?」と、なかなか信じられない方も多いのですが、現場では実際にそういったケースが増えています。
今回はその一例として、参考になればと思いお話しさせていただきました。少しでもご参考になれば幸いです。















「熱暴走じゃないですか?」