
今回は、iPhone修理の今後について、少しだけ真面目な話をさせていただきたいと思います。
テーマは「これからiPhone修理をどうしていくのか」、そして最近増えているご相談内容についてです。
結論から言えば、当店では現在、iPhone修理を積極的には行っていません。今日はその理由を、包み隠さず、現場の視点でお話しします。
なぜ、iPhone修理を縮小したのか
パソコン修理が、想像以上に増えました
まず一番大きな理由は、パソコン修理のご依頼が非常に活発になったことです。ありがたいことに、年々PC関連のご相談や修理依頼が増え、作業の比重が大きくなっています。
限られた時間と人手の中で、すべてを同じ熱量で対応するのは正直難しくなってきました。
iPhone修理店は、すでに飽和状態です
私の住んでいる地域では、東から西まで、iPhone修理店がほぼ網羅されている状態です。競合が多いというレベルではなく、「どこにでもある」という状況ですね。
ここで無理に張り合おうとは、もう思っていません。なぜなら、iPhone修理は“唯一無二”になりづらい分野だからです。
iPhone修理が抱える、現実的な問題
スキルの価値が下がりやすい
これは少し辛辣な言い方になりますが、今のiPhone修理は「動画を見て、手順通りにやればできてしまう」ケースが増えています。
もちろん、すべてが簡単なわけではありません。ただ、専門性が価格に反映されにくくなっているのは事実です。
在庫と機材のリスクが大きい
・画面
・バッテリー
・世代ごとの部品在庫
これらを常に抱える必要があり、しかも単価は下がり続けています。リスクとリターンが、正直見合わなくなってきました。
修理単価が、かなり厳しくなっています
これは本音ですが、iPhone修理の単価は、年々かなり厳しくなっています。価格競争に巻き込まれ、そのために他の業務の質が落ちてしまうのは、本末転倒だと感じました。
現在、当店で行っているiPhone対応について
対応機種は、SE2・SE3に限定しています
当店では現在、iPhone SE(第2世代・第3世代)のみ、修理対象として対応しています。それ以外の機種については、
- 初期化
- リングループ(リンゴループ)の修正
- ソフトウェア関連の作業
これらは、今まで通り対応しています。
iPhone 12〜16のガラス割れ修理は行っていません
iPhone 12から最新機種に至るまで、画面割れ・液晶・バッテリー交換は一切行っていません。
これは経験がないからではなく、競合による価格低下と、そこに割くリソースが確保できないためです。今後も、この方針は変わらない予定です。
最近、特に増えているご相談について
飛び込み来店で、がっかりされてしまう方が多い
一番心苦しいのがこれです。「修理できると思って来たのに…」と、がっかりされるケースが非常に増えました。
外国人のお客様からのご依頼が増えています
曖昧な表記をしていると、「できると思って来店してしまう」ケースが増えてしまいます。そのため現在は、
- 対応可能な修理のみ表示
- 在庫があるもののみ掲載
- 「予定」「対応予定」という表記はすべて削除
この形に変更しています。この運用は、2026年以降も変更する予定はありません。
ここは誤解しないでいただきたい点です。当店は、iPhone修理を完全にやめるわけではありません。ただし、「何でも直します」「全部対応します」という形には、もう戻らないということです。
Android修理について
最後に明確にお伝えします。Android端末の修理は、今後も一切行いません。
理由はシンプルで、対応できないからです。こちらについては、今後も変更はありませんので、あらかじめご了承ください。
できることを、無理なく、正直に
修理業という仕事は、「何をやるか」よりも「何をやらないか」を決めるフェーズに入っていると感じています。
無理に広げず、
無理に競わず、
できることを、正直に続けていく。
それが、今の当店の選択です。
少し真面目な話になりましたが、これが現場から見た、iPhone修理の“今”と“これから”です。














