水没したiPhoneでリンゴループが繰り返される原因
iPhoneを水没させてしまい、水没直後は正常に使えていたらしく時間が経つとリンゴループ(電源投入後にリンゴマークが付いては消えるを繰り返す症状)になってしまい、電源を入れても全く反応しない状態になってしまったiPhoneの原因をお調べ致しました。
まずは洗浄から
通常の水没では基盤の洗浄から行います。今回ではリンゴループなので液晶画面は付いている事になり、デジタイザ周りのショートは考えにくい事から、基盤ウラを念入りに洗浄を行いました。他の業者さんの手順は知りませんが当店ではまずは基盤の「水洗い」から行っており、その後2種類の溶剤を使って洗浄を行い、機器用の乾燥機にてしっかりと乾燥を行います。
各種チップの焦げを確認する
今回の場合はリンゴループなので大体の推測は付いており、最悪の結果となるNANDチップのショートでした。このチップは全てのデータを収めている媒体ですのでこの箇所がショートしていると手の打ち様がなく、初期化を行うにもiTunesでエラーが発生してしまいます。つまりハンダで交換する必要があるのですが、今回のご依頼では「データを活かす」事が前提でしたのでこの段階で確認作業は完了となりました。
リンゴループでは様々な原因があるということ
稀にですが水没後にバッテリーが問題でリンゴループが発生する事があります。今回ではNANDチップの破損という結論に至りましたが、中身を確認しなければ把握出来ない確認作業の為、水没洗浄を行い各種チップの状態を行っております。もし修理に不慣れな個人の方が判断するのであればリンゴループが発生した際は機種交換を前提に考えて頂ければと思います。
因みにNANDチップの交換は海外では盛んに行われている修理です。日本国内ではiPhoneが高価であるにも関わらず簡単に機種変更を勧めるショップが多いことで認知度は低いです。またそれなりの料金が発生しますので現状ではiPhone7以降の方を対象に海外ではご依頼が多いとされています。
水没は身近にある事故です。液晶パネル割れと同じ位のご相談がありますので、浸水だけではなく水かかかるだけでも基盤は簡単にショートしますので十分にお気をつけてiPhoneをご利用頂ければと思います。