お客様との「最近の最低賃金の時間額は889円だそうですね」とお聞きしたり、他のお客様とは「当初のアルバイトの賃金は~」とお話をしたのですが、私の高校時代のアルバイトの時給は450円でした。
現代では、この時給が安すぎると思うかも知れませんが、私はこのアルバイト先で初日を迎えた日の事は忘れられません。
その場所は大手スーパーの青果。
閉店後にPOPのラベルを交換する作業で「誰か少しだけ残業できる人?」と社員が呼びかけていたので、すぐに挙手をしました。
高校一年生になりたてで、1時間で450円も稼げるという思考が私にとってはとんでもない財源。
それを平日は4時間、日曜日は8時間と、月に5万円を稼ぐ。
これを約3年間続けて運転免許取得費用とパソコン代に充てる。因みに現代では、パソコンは20~30万円も出せば最高峰のスペックを手に入れる事が出来ますが、20年以上前ではスペックが高いモノで100万円程します。
高校生が100万円程度のパソコンを購入しても、当初はインターネットなどで出来る事は限られ、文字遊びかファイルの交換程度、あとはマニアックなゲームでオフラインで遊ぶ程度でした。
世間では初代プレイステーションやスーパーファミコンが全盛期に何故パソコンでゲーム?と思われるかもしれませんが、一部の人がひっそりと遊んでいるゲームに興味が湧いた、というのが理由です。
そして、パソコンが欲しいとの妄想が現実に近づいたアルバイト生活の3年目、緊張した足取りで家電量販店にて店員を呼び、型番などわからないし下調べもせずに買ったパソコンと汗で湿ったレシートを自宅に招き入れた時の高揚感。
その晩、無知が理由でシャットダウンの方法を知らずにコンセントを抜き、地獄を見る事になるのですが、涙目になりながらも必死に修復した事が、今のお仕事に繋がっているのかもしれません。
たった450円と思われる程の時給。
それでもムチャクチャ喜んでいた人もここには居たという事。
志高く
そんな格好いい言葉ではなく、単に稼げる喜びを10代半ばで経験できた事に、今となっては感謝すべきでしょうね。
「四の五の言わずに働け(稼げ)」、それが初めてのアルバイトで店長に言われた甘酸っぱいセリフを思い出しましたね。