お客様がアポなしでのご来店されるのは当店では珍しい事ではありますが、第一声に「〇〇の〇〇〇〇という店で組んでもらったパソコンが壊れたのですが、音信不通となったのでどうしようかと思いましてこちらに来ました」との事。
お客様からの相談内容は以下の通り(個人が特定される事を控えて欲しいとの事で、一部内容をぼかしております)。
・約1年前にパソコン制作を依頼
・納品までには2ヶ月を要した
・費用が30万円を前払い
・設置後にSSDが故障
・故障の原因はお客様との診断
・交換依頼を行うも音信不通
この業者は数年前に店舗を閉じてからも個人で経営されいる事から、現在では名ばかりの修理業者となっており、一時期では名の知れた店舗であった記憶があります。それから約4年程が経過しており、今でも当店にはこの店舗で購入されたパソコンのお持ち込みがある事から、当初は多数のお客様を抱えていた事が分かります。
とは言え、奇抜すぎるともPC構成となっている事から、えっ！？この値段でこのパーツ使っているの？と、中古品を扱ってでも良いセンスをしている事もあり、個人的にはこの経営者を「残念な天才」との呼称を名付けました。
では何故「残念な天才」なのか？とのご説明をさせて頂きます。
一つめとして、まず今回のお客様でも同様なのですが、この経営者は突如連絡が付かなくなります。
二つめは、不具合となるPCを拝見しましたが、制作したパソコンがあまりにも奇抜。インテル製12世代i5が搭載され、メモリは32GB、SSD(NVMe)は500GB、ここまでは最新モデルである事が分かりますが、驚いたのがグラフィックボードが「Radeon HD 6800」だったのです。
因みにこのグラフィックボードは発売開始時期が2010年、約13年前のモデルとのなるので、推測で考えるのであればグラフィック性能を持たないi5(所謂Fシリーズ)を搭載させた事で、最低限のグラフィックとして安価に済ませるために、手持ちにある中古のグラフィックボードを刺して納品したのでしょう。
そして三つめ、これが一番の問題なのですが、この販売価格が30万円だったという事。
あえて比較はしませんが、間違い無くパソコン好きが販売している構成ではありません。パソコンに詳しいが故のズルい構成として仕上げられ、「よく考えたなぁ・・・」と逆に賞賛してしまう程までに、悪い意味で「凄い」としか言い様がない程までに、残念のオンパレードなのです。
因みに、この記事の掲載はお客様たっての希望であり、今回はこのご依頼主様が「無念を晴らしたい」「決別という意味で記事にして欲しい」との事で掲載しますが、普段は「元」が付く同業者であったとしても書く事はありません。何せ、このような事を書く事にきりがないのは、他業種でも同じ事が言えますよね？
ですので、この業者の事を書く事は金輪際ないと思いますが、もしもご本人様がこの記事をお読みになられているならば、今後はこのような料金設定と構成はお控え頂けばと嬉しいですね。
