今更かもしれませんが、原作の「護れなかったものたちへ」をAudibleで聴いてからAmazonPrimeで映画を観ました。
因みに映画版では佐藤健さん、阿部寛さん、清原果耶さんなどが出演し話題となったようです。これは原作を知ってから映画を観るとこれじゃない感が強いのですが、結論としては両方面白かったです。
そんな事で、余韻に浸りながらも記事のネタになるかは分からないまま、熱が冷めないうちに書いておこうかと。
護れなかったものたちへのあらすじを書くね
東日本大震災から10年後の仙台を舞台に、手足を縛られ口を塞がれた状態で餓死させられるという、凄惨な連続殺人事件が発生します。
宮城県警捜査一課の笘篠誠一郎刑事は、被害者たちが生前「善人」とされていた人物ばかりであることに疑問を抱きながら捜査を進めます。やがて、ある共通点から、過去に放火事件を起こして服役していた利根泰久という男が容疑者として浮上します。
笘篠は利根を追いつめるも、決定的な証拠がつかめません。そして、第3の事件が発生してしまうのです。
この事件の背景には、東日本大震災で被災し、生活保護を受けながら懸命に生きる人々の姿がありました。そして、利根自身もまた、震災で大切なものを失い、社会から見捨てられたと感じていた1人だったのです。
この「護られなかった者たちへ」は、複雑に絡み合った社会問題と人間の心の闇を描き出した、重厚なヒューマンミステリーですが、「宮城県警シリーズ」第2弾となる「境界線」という3年前を描いたお話も良い。
境界線のあらすじを書くね
舞台は東日本大震災から7年後の宮城県気仙沼市。主人公は宮城県警捜査一課の笘篠誠一郎警部です。
物語は、海岸で身元不明の女性の遺体が発見されることから始まります。女性の所持品から、なんと7年前に津波で行方不明になった笘篠の妻・千鶴子の身分証が見つかります。
千鶴子は震災の混乱に乗じて、誰かに身元を奪われていたのでしょうか?笘篠は、妻の死の真相を探るべく、捜査に乗り出します。
捜査を進めるうち、笘篠は、震災で心に深い傷を負った人々の苦悩や、復興の影で生まれた新たな社会問題に直面していきます。
やがて、身元不明の女性の死は、震災で生じた「境界線」に苦しむ人々の悲劇を浮かび上がらせていくことになります。
「境界線」は、震災という未曾有の災害が人々の心に刻んだ傷跡と、そこから生まれる様々な葛藤を、ミステリーという形で描き出した作品でした。
そして「宮城県警シリーズ」第3弾となる「彷徨う者たち」がラストです。
彷徨う者たちのあらすじを書くね
東日本大震災から10年以上が経過し、復興が進む宮城県。しかし、仮設住宅の解体が始まり、人々の生活は再び大きく揺れ動いていました。
そんな中、解体作業中の仮設住宅で、町役場の職員・戸塚明生が密室状態で殺害されているのが発見されます。笘篠誠一郎警部と蓮田将悟刑事は捜査を開始しますが、被害者の人柄も良く、有力な容疑者が見つかりません。
捜査線上に浮かび上がったのは、震災で家族を失い、今も仮設住宅で暮らす住民たち。彼らはそれぞれに、震災の傷跡を抱え、行き場のない不安と葛藤を抱えていました。
笘篠と蓮田は、複雑に絡み合う人間関係と、それぞれの抱える心の闇を解き明かしながら、事件の真相に迫っていきます。
「彷徨う者たち」は、震災によって故郷や家族、そして未来を失った人々の苦悩と再生を描いた、感動的なヒューマンミステリーです。
前作「護られなかった者たちへ」「境界線」と同様に、社会問題に鋭く切り込みながらも、人間の心の温かさを描き出している作品です。
ぜひ、メチャクチャ面白いので読むか観るか聴いてみてください。
12月の記事の1発目に何書いてるんだよ、と思わないでねぇ