
今日はちょっとした小話をさせてください。実は、僕らのようなパソコン修理業界にも、正式に登記していない“謎のPCサポート屋さん”が存在するんです。
その方と僕の縁(といっていいのか…)が始まったのは、もう10年ほど前。当時、その方は既に還暦を迎え、おそらく元ネットワークかシステムエンジニア。ご自身の名前で会社を立ち上げたわけでもなく、法人登録もなく、個人でホームページを公開して「ITサポート」と称して活動を始めたそうです(憶測で書いている理由は後ほど)。
一見すると無害のように思えるんですが、ここからが厄介だったんです。
勝手に「協力会社」扱いされていた過去
その方、なんと当店を「協力会社」だと勝手に名乗っていたんです。こちらとしては寝耳に水。直接会ったこともなければ、お仕事を頂いた事も、情報共有なども含めて一度も交わしたこともない。
その影響で、この10年間で何度もトラブルが発生しました。つい最近も「その方から紹介を受けた」というお客様からご相談をいただいたんですが、聞いてみると……
「出張費も診断費も無料でやってくれるって聞いたんですが!」
……いやいやいや、そんな話、どこから出てきたんですか。心の中で思わず「その方の口座に僕の電気代でも引き落とさせてもらえます?」と言いたくなりました(笑)。
無責任な「紹介」の被害
もちろん、お客様に罪はありません。信じてご連絡くださっただけなんです。ですが、その背景にある「紹介情報」が全部デタラメとなると話は別です。
無償サポートや電話での無料相談――そんなことを僕がやっているかのように宣伝され続けた結果、問い合わせてくださった方にとっても損。僕にとっても大迷惑。
その方のSNS(今でいうX)を覗くと、いまだに「システムエンジニア」「ネットワークエンジニア」と名乗り、現役のように書かれている。本業はすでにリタイアして、趣味を謳歌いるのに、なんでそんな余計な“設定”を残しているんでしょうかね。
「もう潰れちゃたか」という一言
忘れられない出来事もあります。ある日、その方から電話がかかってきたんですが、あいにく対応が出来ずボイスメッセージが残されていたのですが、このような事をつぶやかれたんです。
「あちゃぁ~、もう潰れちゃたか」
……チョットマッテ。こっちはちゃんと登記もして税金も納めて、毎日必死にお客様のサポートを続けている。一方で、あなたは「協力会社」と勝手に名乗り続ける。どう考えても逆じゃないですか。
今となれば笑い話にできるけど
今では少し笑い話になっていますが、当時は本当に頭を抱えました。お客様には「その方の言っていることはすべて事実ではありません」と正直に伝えるしかありません。
結局、その方の紹介を信じてしまうと、お客様にとってもメリットはゼロ。僕にとっても大きな被害につながる。そう思ってからは、登記されていない修理屋さんからの紹介はすべてお断りするように決めました。
これであれば、有名作曲家である新垣隆さんのようなゴーストのような存在であったほうがまだ利益があるのでましです。
いままでも、これからも
もちろん、同じ業界で協力し合える関係が築ければ素晴らしいと思います。でもそれは、やはり顔を合わせてきちんと話ができる人でなければ難しいですよね。
パソコン修理って、ただの技術のやり取りじゃなくて“信頼関係”そのもの。だからこそ、「ちゃんと存在している」ことが大前提になるのだと、この10年で嫌というほど学びました。
またこの進展があれば書きますー