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消えた依頼人と偽りの紹介者

最初にお伝えしておきます。このお話は、一部は実際にあった出来事を元にしていますが、一部はちょっと脚色を加えております。なので「完全な実話」ではなく「半分実話・半分フィクション」としてお楽しみください。

今日はちょっと不思議なお話を。
僕は普段「パソコン修理屋」としてお客さんの依頼を受けていますが、たまに「これ修理の話じゃないよな?」と首をひねる出来事に出くわすことがあります。

ある日、電話で修理を依頼してきた方がいました。名乗ったのは「Aさん」。ただ、その声がやけに小さく、落ち着きがなく、電話の向こうには妙なノイズまで混じっている。不自然だなぁと思いつつも日時を伝えて待つことにしました。

ところが、約束の時間になってもAさんは来ない。電話をかけても一度コールが鳴ってすぐに切られて、それっきり。まるで意図的に繋がりを断とうとしているようでした。イタズラだったかな?とも思いましたが、まあそんなものに引っかかるほど甘くはないので放っておいたんです。

すると、その日の午後。今度は突然、知らない女性が店にやって来ました。「Aさんに紹介されて来ました。Bと申します」と。Aさんが音信不通になったその日に紹介者が来るって、どういうこと? しかも持ち込んだのはAさんのではなく、彼女自身のパソコン。軽いウイルスチェックをしてデータ整理を済ませると、「これで安心して仕事ができます」と満足そうに帰っていきました。……やっぱり違和感が残りますよね。

数日後、AさんからSNSにメッセージが届きました。「事情が変わりまして、今回はキャンセルでお願いします」と一言だけ。妙に事務的な文面で、その直後にアカウントはブロック。痕跡はまるで最初からなかったかのように消えてしまいました。

一方でBさんは、頻繁に顔を出すようになりました。最初は僕の仕事を褒めてくれていたんですが、そのうち値踏みするような視線に変わっていき、ある日こんなことを言うんです。

正直なところ、提携しているお店の方がサービスは良かったわ。でも仕方なかったのよ。Aに『そこの店に行け』って頼まれたんだから

……え、突然何を言ってるの?と突っ込みたくなる場面でした。

そして季節が変わった頃、Bさんが再び来店して、静かにこう言いました。

ようやく話せる気がしたの。……私がAよ

あの電話、不自然な声、突然のキャンセル、紹介者としての登場――すべて彼女が仕組んだものだったんです。新しく開業した自分の店と比較するため、僕の対応力や技術を試していたというわけです。

正直に言うと、僕の感想はただひとつ。

……言う必要ある?(笑)

もちろん、誰も傷つかないし事件性があるわけじゃない。でも、こんな不可解な出来事も仕事をしていると時々あるものです。人間の思惑って、パソコンよりよっぽど複雑でミステリーだなぁと感じた出来事でした。

あとがき

ここまで読んで「本当にあった話?」と不思議に思った方もいるかもしれません。実際の修理現場で似たような出来事があったのは事実ですが、話をわかりやすくするために少し脚色しています。ですので、ノンフィクションでもあり、ちょっとしたフィクションでもある、そんな軽い読み物だと思っていただければ幸いです。

日々の修理の中には、ちょっとした小事件や人間模様が隠れていて、それが仕事の面白さにも繋がっています。今回のお話も、その一部を切り取ったものとして、楽しんでいただければ嬉しいです。

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アイコン哀喜
ピシコ
北海道苫小牧市でパソコンとiPhone修理業を営んでいます
三度の飯よりも修理好きでゲームとプラモが趣味
19匹多頭飼いするほどのハムスター好き
最近は筋トレでの減量にハマってます(←NEW)