
先日、私は苫小牧駅周辺を歩いていました。目的は観光でもなく買い物でもなく、ただ「iPhone修理店の様子を見に行く」こと。
なんだか少し変わった行動かもしれませんね。でも、この仕事を続けていると「街のお店がどう動いているのか」を見てみたくなる瞬間があるんです。
特に日曜日。家族で出かける人も多いこの日こそ、スマホのトラブルも増えるんじゃないか――そう思ったからです。
意外と静かだった修理店の姿
歩いてみて、思わず心の中でつぶやきました。
「あれ?どこも静かだな」
想像していた賑わいはなく、どの修理店も落ち着いた雰囲気。お客様がゼロというわけではありませんが、店員さんがパソコンを触っていたり、受付で暇そうにしていたり。
その姿を見て、光景を見て、肩の力がふっと抜けました。
当店がiPhone修理を限定している理由
ここで少し、当店のことをお話しします。うちはパソコン修理がメインで、iPhone修理は「限定的」にしか行っていません。
もちろん、常連のお客様や「どうしてもピシコさんにお願いしたい」と言ってくださる方には精一杯対応します。けれど、新しい機種――例えば iPhone 13〜16 など――の修理については、信頼できる他店をご紹介することが多いんです。
それは、決して逃げているわけではありません。むしろ「中途半端に受けてお客様をがっかりさせるくらいなら、最初からベストな選択肢をご案内した方がいい」と思っているからです。
タイムパフォーマンスの壁
正直な話をしますね。iPhone修理って、タイムパフォーマンスがものすごく悪いんです。
作業自体は短時間でも終わることがあるのに、部品の在庫管理、受付、動作確認…そうしたひとつひとつが積み重なると、気づけば膨大な時間を取られてしまう。
そして、うちは私ひとりでやっている店です。社員もアルバイトもいません。だから「格安で早く、どんどん回す」スタイルはどうしても合わないんです。
5年間、パソコン修理で手一杯の日々を過ごしてきて、「やっぱり自分の店はパソコン修理屋なんだな」と改めて思います。
ご紹介もまた、誠実さのひとつ
修理店としては「すべて自分のところで受けたい」と考えるのが普通かもしれません。でも私はそう思いません。
一番大切なのは「お客様が安心して、最短で解決できること」。だから場合によっては、他のお店をご紹介することも私の役割だと考えています。
もちろん、当店でできる修理はしっかりと対応します。でも、できないことは「できない」と正直にお伝えし、その上で信頼できるお店をお繋ぎする。その方が、お客様にとっても、私にとっても誠実な形だと思うのです。
後退ではなく、守りたい安心感
今回の視察を通じて、「iPhone修理は思った以上に静かな需要なんだ」と再確認しました。だから当店は無理に背伸びをせず、できることを丁寧に行い、できないことは誠実にお繋ぎする。
それは決して後退ではなく、むしろお客様の安心を守るための前向きな選択です。