
「え、あのAffinityが無料?」
最初にこのニュースを見たとき、正直目を疑いました。まるでAdobeが「今日から無料です」と言ったようなインパクト。デザインをかじったことがある人なら、これがどれほど衝撃的な出来事か、きっと分かるはずです。
Affinity――PhotoshopやIllustrator、InDesignに匹敵する存在として、地味ながらも根強いファンがいたソフト。その買い切りモデルが魅力で「サブスク疲れ」のクリエイターたちの避難所でもありました。そんなAffinityが、Canvaに買収され、なんと“完全無料”になったというのです。
…いや、これ、革命ですよ。
Adobeの牙城に風穴が開いた瞬間
昔の話を少ししましょう。
私が初めてPhotoshopを触ったときは、まだCS以前の頃でした。あの頃は「Adobeを使える=一人前のデザイナー」みたいな時代で、ライセンスを買うにも清水の舞台から飛び降りる覚悟が必要でした。ところが今や、月額制。学生でも社会人でも、Adobe税を払い続けなければならない。
アカデミック版で年7万円、一般版なら9万円近く。毎月1万円弱。これって、学生やフリーランスには相当重い負担ですよね。下手すると、プロを志す前に資金が尽きてしまう。笑えません。
そんな中で「Affinityが無料」という知らせ。Adobeにとっては、まるで城壁の下に爆弾を仕掛けられたようなものでしょう。
CanvaとAffinityの融合、それは“直感と技術”の結婚
私自身、Canvaユーザーでもあります。
飲食店さんのPOPやSNS画像を作るとき、Canvaほど気軽に“それっぽいデザイン”が作れるツールはありません。でも、Canvaにはどうしても越えられない壁があった。「プロっぽく仕上げたい」と思った瞬間、もうPhotoshopかIllustratorの世界に戻らざるを得ない。
そこに来てこのニュース。CanvaがAffinityを取り込み、AI生成機能「Canva AI」まで加えた。これ、まさに直感(Canva)と技術(Affinity)の融合なんですよね。
AIで生成した画像をロゴや看板に取り入れ、そこにAffinityで微調整を加える――。これまで“高嶺の花”だったデザイン工程が、誰でも手の届く距離に降りてきた気がします。
「AI+Affinity」を使いこなす世代が、次の主役になる
たとえば、学生がExcelやWordよりも先にAI画像生成やAffinityのレイヤー操作を覚える。これ、現実的にありえる未来です。企業が「Photoshopが使える人」を探す時代から、「AIを使って短時間で形にできる人」を求める時代へ。
昔の“職人スキル”が必要だった時代から、“発想とツールを操る柔軟性”が求められる時代に変わったんだなと、ひしひしと感じます。もし私が今の若者だったら、真っ先にAffinityをダウンロードしているでしょう。タダですから(笑)。
Adobeはどう出る? そしてCanvaの本当の狙い
Canvaの狙いは明確です。
“デザインの民主化”
つまり「誰でも作れる」を世界中に広げたい。そのために、Affinityのプロ仕様を吸収し、無料で提供することでユーザーを一気に取り込もうとしているのです。
Adobeは当然黙っていません。生成AI「Firefly」での差別化、Premiere ProでのAI拡張機能など、プロ領域での優位性を強化しています。とはいえ、価格面でのインパクトは否めません。今後は“AIの質”と“価格”の戦いになるでしょう。
無料の波がクリエイティブを変える
お金がないから夢を諦める。そんな時代を、少しずつ終わらせようとしているのが今回のCanva×Affinity連合だと思います。私たちはいま、“創作の壁”が崩れていく瞬間をリアルタイムで見ているのかもしれません。
Affinity 3.0が本当に永久無料になったら――。きっと次に変わるのは、私たち自身の「創造の形」なのかもしれません。















