
年末になると、不思議なものでパソコンに関するお問い合わせの「質」がガラッと変わります。
もちろん「新しいパソコンが欲しい」「修理してほしい」という王道のご相談も多いのですが、この時期特有の“年末あるある”なお問い合わせが、一気に増えてくるんですね。
今日はその中でも、実際にこの年末、私のところに多かったお問い合わせをランキング形式でご紹介しつつ、「これはもう応急対応でこうしてますよ」というリアルな現場の話を交えてお伝えしたいと思います。
第3位:難易度MAXの“マニアックすぎる”修理相談
第3位は、かなりマニアックな方からのお問い合わせです。具体的には、
- SSDの調子がおかしい
- だから内蔵されているNANDチップを交換してほしい
- チップ単体で直せないですか?
……という内容。
正直に言います。これはもう 修理屋としても最高難易度です。基板修理、顕微鏡、リワークステーション、ドナー部品、成功率、コスト。どれを取っても、現実的に「ほぼ不可能」と言わざるを得ないケースがほとんどです。
この手のご相談に関しては、私は変に否定もしません。「そういう発想になるの、分かりますよ」と共感しつつ、最終的には雑談で終わることが多いですね。
「ですよねー」「ロマンはありますよねー」そんな感じで談笑して終わる。年末ですし、これはこれで悪くない時間だったりします。
第2位:キーボードやマウスが突然使えない問題
第2位は、操作系トラブルです。
- キーボードが反応しない
- マウスが動かない
- ノートでもデスクトップでも起こる
中でも圧倒的に多いのは、
- キーボード自体の物理的損傷
- もしくはドライバーの破損
なぜ年末にこれが増えるのか。理由はシンプルで、年賀状、書類作成、写真整理、普段より明らかに操作量が増える。これなんですよね。
なので私がまずお伝えするのは、「とりあえず、安いUSBキーボードを1つ買って挿してみてください」家電量販店で千円ちょっとのもので十分です。それでダメなら、
- ドライバーの削除
- 再インストール
それでも改善しない場合、最終的にはクリーンインストールなのですが……。年末です。時間がありません。なのでこの場合は、
「申し訳ないですが、年内は我慢して、年明けにしっかり直しましょう」
という判断になることも多いです。幸い、ほとんどのケースはここまで行かずに解消しています。
第1位:インターネットがとにかく遅い問題
そして堂々の第1位。インターネットが異常に遅いというお問い合わせです。これは皆さん、かなり心当たりがあるのではないでしょうか。特に多いのが、
- 新しいパソコンを買った
- なのにネットが遅い
- 前より快適にならない
この原因、大きく分けて2つあります。
原因① Windows11になったことによる体感速度の低下
これは誤解されやすいのですが、パソコンのスペックが高くても、Windows11はそれなりに重いです。
Windows10と比べると、OSそのものが使うメモリ量が増えているため、メモリ8GBのパソコンだと、正直ちょっと厳しい場面があります。
「新品なのに遅い」というご相談の裏側は、実はこのパターンがかなり多いです。
原因② 実は回線速度そのものが遅い
もうひとつ、かなり多いのがこれ。
- ケーブルテレビ回線
- 10Mbps契約のまま
- しかも年末でトラフィック増大
「10ギガ契約してると思ってました」
「昔からこれで十分だから」
……というお話、年末になると本当によく聞きます。どれだけ最新のパソコン、どれだけ高性能なWi-Fiルーターを使っても、回線が10Mbpsのままでは限界があります。
「せめて100Mbpsに上げてください」とお願いすると、「いや、これでいいんだよ」と言われることもあります。これもまた、年末あるあるですね。
年末は“パソコンだけが原因”とは限らない
年末に差し掛かると、
- 回線の混雑
- プロバイダー側のトラフィック増加
- 利用者全体の通信量増大
こういった要素が一気に重なります。なので、何でもパソコンのせいにしないという視点も、ぜひ持っていただければと思います。
年末あるあるランキング、心当たりありませんか?
今回ご紹介した、
- 第3位:マニアックすぎる修理相談
- 第2位:キーボード・マウストラブル
- 第1位:インターネットが遅い問題
どれも「あるある」だと思います。もし心当たりがあれば、まずは慌てず、原因を切り分けてみてください。
そして年末は無理せず、直せるものは応急対応、重い作業は年明けに。それが一番、心にもパソコンにも優しい選択だったりします。
少しでも参考になれば幸いです。














