
今日は、少しだけ個人的な話をさせてください。
派手な成功談でもなければ、いきなり人生が変わった話でもありません。ただ、自分の中では確実に「一線を越えた」と感じた出来事でした。
先日、ひとつのアプリをリリースしました。
正直に言えば、売れるかどうかは分かりませんでした。というより、「売れる」という感覚そのものが、まだ現実味を持っていなかった、という方が正しいかもしれません。
それがですね。
発売して、翌日です。
日曜日の朝、8時45分くらいだったと思います。何気なく管理画面を開いたら、数字が一つ増えていたんです。
──1。
一瞬、理解が追いつきませんでした。見間違いかな、と。もう一度、画面を見直して、それでも変わらない。
「あ、売れたんだ」
この一言が、頭の中に静かに浮かびました。しかも、です。期間限定で300円に設定していたはずのそのアプリ、売上の表示は、なぜか1,000円になっていました。
「……そんな値段で出した覚え、ないぞ」
本気でそう思いました。調べてみて、そこで初めて知ったのがブーストという仕組みでした。いわゆる投げ銭です。「よかったよ」「応援してるよ」そういう気持ちを、金額として上乗せできる仕組み。
300円の商品に、700円のブースト。
合計1,000円。
このとき感じたのは、儲かった、という感覚ではありません。むしろその逆で、「知らない誰かが、わざわざ気持ちを乗せてくれた」その事実が、胸に残りました。その後、売上が一気に伸びたかというと、正直そんなことはありません。でも、それでいいんです。最初から、大量に売れるとは思っていませんでしたし、この1本は、結果というより「通過点」でした。
ちゃんと売れた、という事実。ゼロではなかった、という証明。それだけで、十分でした。
むしろこの先、量産していく中で、どこかで誰かの目に止まるものが出てくればいい。そう考えています。本業はパソコン修理です。その合間に、趣味として、AIを使って、アプリを作る。正直、効率だけで言えば、遠回りかもしれません。でも、この遠回りが、自分のスキルを確実に前に進めてくれました。
今回のアプリ制作、実はほぼ5日間、AIに命令を出し続けて完成しています。誤解しないでほしいのですが、私はプログラマーではありません。細かい処理を完璧に理解しているわけでもないですし、正直、読めていないコードもたくさんあります。
それでも、です。
同じコードを、同じエラーを、何百回、何千回と見ているうちに、「ああ、ここで転んでるな」「また同じところで間違えてるな」
そういう“癖”が見えてきたんです。
象徴的だったのが、起動直後にQRコードを読み取ろうとして落ちる問題や、PDFを読み込む段階でエラーを吐く不具合でした。
原因は、驚くほど単純でした。
AIが、前のコードを考慮せず、いきなり自分なりに書き始めてしまっていた。つまり、
AIが悪いわけではない。命令の出し方が、雑だった。これに気づいたのは、大きかったです。
解決方法も、ひとつだけでした。
前のソースコードを、自分なりに把握した上で、きちんとAIに渡す。それだけで、挙動は見違えるほど安定しました。ここで学んだのは、いきなり命令しないということです。何をしたいのか。何が目的なのか。どこを直したいのか。何を追加したいのか。
一度、言葉として整理する。そのワンクッションを置いてから、命令する。このひと手間で、AIの出力はまったく変わります。
ちなみに今回の開発では、ChatGPTとGemini、両方を使いました。言葉を整えるのはChatGPT。実装のスピードはGemini。ChatGPTで命令文を組み立て、それをGeminiに投げる。出てきたコードを確認し、必要に応じてソースを戻す。
この繰り返しで、不具合は劇的に減りました。バージョン管理もしやすくなり、ロールバックも怖くなくなりました。正直、「こんなことまでできるとは思っていなかった」という機能も、いくつも追加できました。
今回の経験で、強く感じたことがあります。
できないことは、ほとんどない。ただし、曖昧な命令を出した瞬間に、バグは生まれる。AIにプログラムを書かせるというのは、技術力というより、指示を言語化する力が問われる作業なんだと思います。
もしこれを読んで、「プログラミング、ちょっとやってみようかな」そう思った方がいたら、ぜひ試してみてください。最初はうまくいかなくて当然です。むしろ、失敗した方が、学びは大きい。
私にとって、この「最初の1本が売れた」という体験は、金額以上に、大きな意味を持つ出来事でした。また何かあれば、この続きも、きっと書くことになると思います。













