
とあるお客様から朝一番にご連絡をいただきました。「パソコンがどうにもならないので見てほしい」とのこと。実際にお伺いしてみると、その内容はなかなか複雑でした。
OneDriveとExcel、そしてCopilotの罠?
お客様の会社ではOneDriveでExcelシートを管理されていたのですが、Microsoft Copilotが自動起動してしまい、Web版Excelでシートを開くとエラー表示が出てしまう。アプリ版Excelなら開けるのに、Webでは「修復不能」という状態でした。
ロールバックも試したものの改善せず、最終的には新規にシートを作り直すしかないという結論に。ここまではよくある「クラウド絡み(?)のトラブル」と考えられますが、問題はその先でした。
パニックになってしまったお客様の行動
突然のトラブルに慌てたお客様は、次々と対策を試されたそうです。
- 原因は「容量不足かもしれない」と思い、OneDriveのストレージを年契約で課金
→ しかし状況は改善せず - Copilotに問題がある?という事でダウンロードしてアプリケーションソフトで開くと問題がない事でサブスクリプション契約が正常に行われていないと思ってしまう
- 登録したマイクロソフトアカウントに問題があると思い、様々な再ログインを試しても解消はされない事で疲れ果ててしまう
- 最終的には「このアカウントを消したい」とまで思い詰めてしまう
この一連の流れから、クラウドやサブスクリプションに対する不信感と恐怖感を抱かれてしまったのです。
投げかけられた数々の疑問
訪問中、お客様からは矢継ぎ早に質問をいただきました。
確かに、日常業務で突然こんな壁にぶつかれば不安になるのも当然です。
今回の解決とお客様の選択
最終的に私からは「ローカルアカウントでの運用」をご提案しました。ExcelやWordはローカルで使用し、保存はUSBで行う。クラウド同期やサブスクリプションに縛られない環境に戻す、という選択です。
これは「クラウド否定」ではなく、「安心して使える環境」を優先するための方法です。人によってはクラウドが最適なケースもありますし、理解して使っている方にはもちろん問題ありません。しかし、今回のように突然の仕様変更やサブスクの仕組みに翻弄される方にとっては、ローカル環境の方がシンプルで安心だと思います。
私が考える「Officeとアカウントのあり方」
当店ではパソコンを出荷する際、必ずローカルアカウントでの初期設定を行っています。Officeについても、可能であれば買い切り版をおすすめしています。もちろん、Office 365のサブスクリプションを理解した上で便利に使える方には向いています。ただ、誰もが平等に快適に使える仕組みかと問われれば、正直そうではないと感じます。
今回のケースは決して珍しいことではなく、実際に「私も同じ経験がある」と共感される方も多いのではないでしょうか。クラウドサービスやサブスクリプションは便利な反面、仕組みを十分に理解していないと混乱や不安を招いてしまうことがあります。
私自身も日々のサポートの中で感じるのは、 「使う人に合わせた運用方法を選ぶことが一番大切」 だということです。クラウドが合う方もいれば、ローカル運用の方が安心できる方もいる。その選択肢を提示し、一緒に最適解を探すことがサポートの役割だと思っています。
登録や解約もしくは変更に慣れてきた私でさえも、アカウント関連やサブスクリプション契約については未だに怖いですからね