
Windowsアップデートを適用した直後からパソコンが起動しなくなり、BIOS(基本入力出力システム)自体が壊れてしまった――そんな噂を聞いたらゾッとしますよね。実は2025年6月、この悪夢のような不具合が富士通製やマウスコンピューター製のPCユーザーの間で報告されています。今回はこの情報の真偽と実態について、公式発表やユーザー報告をもとに徹底調査しました。実際に起きた症状や原因、メーカーの対応策、そして被害を避ける方法まで、わかりやすくお伝えします。
相次いだBIOS破損の報告事例
2025年6月中旬、Windows 10の月例アップデート適用後にパソコンが起動しなくなるトラブルが複数報告されました。被害は富士通製デスクトップ機やマウスコンピューター製ノートPCで顕著でした。
- 富士通の例: ESPRIMO P556を中心に、アップデート後にロゴ画面から先に進まなくなる症状が多数報告されています。BIOS画面すら表示されず、修理以外での復旧が困難なケースも。
- マウスの例: 一部ノートPCで「自動修復を準備しています」の表示から進まない症状が見られました。幸いBIOS設定には入れることが多く、メーカーが対応BIOSを配布しています。
これらの報告はSNSや技術フォーラムを中心に広まり、専門メディアも取り上げました。
問題を引き起こしたWindows 10のアップデート
問題の原因とされるのは、2025年6月のWindowsアップデート(例:KB5060533)です。この更新にはUEFIのSecure Boot関連データベース(DBX)の更新が含まれており、それが一部古いBIOS環境に悪影響を及ぼしました。
Microsoftは富士通などの報告を受け、対象PCへの配信を一時停止しています。また、Secure Boot用のDBXが従来の8KBから24KBに肥大化し、古いBIOSでは処理しきれなかった可能性が指摘されています。
被害を受けた機種と年代
- 富士通製PC: 2015~2016年発売のESPRIMOシリーズが中心。
- マウス製PC: mouse(A5、B5、K5など)、DAIV、G-Tune、MouseProシリーズの一部ノートPC。
原因はアップデートとBIOSの“相性問題”
アップデートによってSecure Bootの拒否リストが書き換えられる際、古いBIOSがその処理に耐えられなかったことが問題の核心です。また、TPMとの連携にも不具合が生じた可能性があります。Windows Updateで自動配信されたファームウェア更新も影響しているとみられています。
富士通・マウスの公式対応
- 富士通: 該当アップデートの配信を停止。影響機種一覧を公開。
- マウス: 該当機種に対して新版BIOSを緊急配布中。ユーザーが自分でアップデート可能な形式で提供されています。
ユーザー側でできる対策
- Windows Updateの一時停止
- メーカー提供のBIOSアップデートの確認と適用
- 不明なファームウェア更新のスキップ
- Secure Boot/TPMの一時無効化(上級者向け)
- 起動しない場合は専門業者へ相談
- BIOSバックアップやデータのバックアップの習慣化
おわりに
「OSの更新でパソコンが動かなくなる」という非常にレアながら重大な問題が、実際に発生していたことが確認されました。幸い、各メーカーとMicrosoftの連携により対応は進んでおり、今後同様の被害は減っていくと考えられます。
それでも、アップデートは慎重に行うに越したことはありません。ユーザーとしてできる備えをしつつ、情報に敏感になり、トラブルに巻き込まれないよう心がけましょう。
この記事が皆さんの不安解消や予防策の参考になれば幸いです。