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「簡単になったはずなのに」ご依頼が増える不思議な話

問い合わせに驚く店主

世の中、本当に面白いものです。

パソコンの設定がどんどん簡単になっていくほど、なぜか当店へのご依頼が増えるんです。

一見、矛盾してますよね。昔は「設定が難しいからサポートを頼もう」だったのに、今は「設定が簡単になったからこそ頼まれる」。……いや、もう何を言ってるのか分からないと思いますが、これは本当の話なんです。

若い世代にとっては「もう簡単」

若い方々にとって、パソコンの初期設定やWi-Fiの設定なんて“朝飯前”です。スマートフォンで当たり前のようにWi-Fiに繋げていますし、Microsoftアカウントもサクッと登録して、クラウド同期なんてお手のもの。

私も正直、「もうパソコンサポートってオワコン(終わったコンテンツ)だよなぁ」なんて思っていた時期がありました。

ところがどっこい。実際には、サポートの件数はむしろ増えているんです。

「身近な先生」が増えた時代の落とし穴

理由のひとつは、「詳しい人が身近に増えたから」。

これ、意外ですよね。

たとえば、お孫さんが「おじいちゃん、Wi-Fiつないであげるよ」なんて優しく設定してくれる。親戚やご近所さんにも、ちょっと詳しい“先生役”がいる。それ自体はとても素敵なことなんです。

でも……問題は、その“先生”がプロではないということ。パソコンの使い方は詳しくても、トラブル対応となると「えっ、どうしよう…」となってしまう。結果、そこから「ピシコさん助けて!」という流れで当店にやってくるわけです。

AI時代の“困った構図”

さらに最近はAIの登場です。

詳しい人がAIに聞いて、その通りにやってもうまくいかない。だって、AIは手も目もないですからね。「電源ボタンを長押ししてみてください」と言われても、どこにあるのか分からない。「ケーブルを確認してください」と言われても、どのケーブルなのか判断できない。

つまり、AIが“知恵”をくれても、実際に“手を動かす人”が必要なんです。その「手と判断力」を持っているのが、私たちのようなサポート業なんですね。

人間の“最後の3割”

ゲーム会社「レベル5」の日野社長が面白い話をされていました。「ゲームプログラムの8~9割はすでにAIが作る。必要なのは人間の“審美眼”」とのこと。

「ゲームプログラムの8~9割はすでにAIが作る。必要なのは人間の“審美眼”」LV5日野社長が若手クリエイターを激励。人材育成プログラム“トップゲームクリエイターズ・アカデミー”入学式が開催【TGCA】 | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com

まさにその通りだと思います。AIは答えを出すけど、決断はできない。最終的に「これが正しい」と判断するのは、経験と感覚を持った人間です。

パソコン修理でも同じ。AIが「たぶん電源ユニットの不具合」と言っても、実際にネジを回してテスターを当てて確認するのは人間。つまり、“現場”がある限り、AIには置き換えられない部分が必ずあるということです。

Windows 11への波と「間に合わない現実」

最近のご依頼増加の背景には、Windows 11への移行問題もあります。

アップグレード、クリーンインストール、買い替え。どれも一筋縄ではいかず、全国の修理屋さんや量販店で“アップデート渋滞”が発生しています。正直、今のタイミングで「うちもお願いできますか?」と言われても、もう予約でパンパン。でも、焦らないでください。

Windows 10のサポートが切れるといっても、健康保険証みたいに「明日から使えない!」というわけじゃありません。セキュリティリスクが少しずつ増えていくだけです。ですから、年内に慌てて動くよりも、しっかり準備して年明けから春にかけて移行するのが現実的です。

では、パソコン購入は、「いつ買うか?」という永遠のテーマを挙げますと、2026年以降は時間軸だけでなく、「自分にとって何が必要か」という価値軸で判断することが、これまで以上に重要になります。

なんで?と思うかもしれませんので、このあたりは長くなるので明日以降のブログで書きたいと思いますね。

まとめ:AIが増えても「人間の仕事」は減らない

AIが進化しても、人が人を助ける仕事はなくなりません。むしろ「AIの使い方が分からない」「AIに言われた通りにやってもうまくいかない」と相談されるケースが増えています。

人間が最後の判断を下し、最終的な手を動かす。その部分こそ、AIにはできない“人の仕事”なんです。

パソコンが壊れた時、設定に困った時、そんな時に「ピシコさん、ちょっと相談してみようか」と思ってもらえる存在でありたい。――それが、AI時代の中で、私が一番大切にしている“人間らしいサポート”の形です。