
先日、休みの日にふと妻の車の点検に立ち寄ったのが、トヨタの新しい会社となる「AGH」。どうやら苫小牧近郊でも数少ない、今どきのトヨタディーラーらしいとのことで、興味半分で行ってみたのですが――いやぁ、驚きました。
AGHとは、自動車販売事業などのグループ会社を束ねる純粋持ち株会社「アンビシャスグループ北海道」(AGH)は2025年4月1日から、傘下の「トヨタカローラ札幌」「札幌トヨペット」「ネッツトヨタ函館」を経営統合し新会社「AGHトヨタ札幌」となったそうです。
私はこれまで20年以上、ずっと日産の車一筋。トヨタのディーラーなんて、テレビCMや道路沿いの大きな看板で見るくらいで、実際に足を踏み入れたのは初めてのこと。まるで初めて行く高級ホテルのロビーみたいに、ピカピカの床と整然とした空気に、正直ちょっと場違いな気持ちすら覚えました。
役割が細かく分かれたトヨタの仕組み
まず驚いたのが、担当の方がものすごく多いこと。私がこれまで慣れ親しんできた日産の店舗では、担当営業がすべてやってくれるスタイル。見積もりから車検、電話対応まで、なんでもその人に聞けば済むという、いわば「一人総合窓口」方式。
ところがトヨタAGHでは、役割がきっちり分かれています。営業は「販売専門」、アフターサポートは「別チーム」、電話連絡は「札幌本部から」といった具合。感覚でいえば、プロバイダーのサポートが地方ではなく東京に集中しているようなイメージですね。
効率的ではありますが――正直、少し温度差を感じました。販売担当の方が「私は新車販売のみなので、何かありましたら本部にご連絡ください」と言われた瞬間、「えっ?この人に聞いても解決しないのか…」と、心の中で軽く混乱していました。
担当が4人!? ちょっとした小旅行レベルの対応
当日は点検だけの予定だったのに、気づけば4人の担当の方とお話しすることになりました。
1人目はアンケート用QRコードを案内する女性スタッフ。
2人目は整備内容を報告してくれるメカニックの方。
3人目は販売担当の営業マン。
そして最後は支店長さんがご挨拶に登場。
「いや、これはVIP対応なのか?」と一瞬思いましたが、冷静に振り返ると、同じことを4回説明していたことに気づきました(笑)。「今日、妻の車の点検で来たんですが…」を4回も繰り返す自分。
たぶん、仕組みとしてはとても合理的なんです。担当分野が明確で、誰に何を聞けばいいのかがはっきりしている。でもお客さん側からすると、話の流れが途切れてしまうというデメリットがある。これは家電量販店でもよくある話。
小さな店だからこそできる「一人完結」
私は普段、苫小牧でパソコンの修理やサポートを一人で行っています。受付も見積もりも修理も納品も、すべて私がやる。だから、お客様が話した内容が途中で途切れることはありません。
不自由な部分もありますが、「最初から最後まで同じ人が対応してくれる安心感」は、思った以上に価値があるんだと改めて実感しました。
もちろん、トヨタのような大企業には大企業なりのやり方がある。ただ、そこに「人の温度」が感じられなくなる瞬間がある――それは少し寂しいですね。
トヨタの強さと、人の距離感
トヨタの対応そのものは本当に丁寧でした。誰もがマニュアルをきちんと理解し、言葉遣いも完璧。それなのに、なぜか心の奥では「距離」を感じる。それはきっと、私が求めているのが“人”そのものだからかもしれません。
トヨタは車を売るプロですが、私は「人の困りごとを解決するプロ」。立場は違えど、どちらも“信頼”がベースにある。だからこそ、「売ったあと」がどれだけ大事かを痛感した一日でもありました。
まぁ、学びのある一日でしたね
今回のトヨタディーラー訪問は、ある意味で“社会見学”のような体験でした。サービスの仕組みは洗練されていて、どこもピカピカ。でもその中で、「あぁ、やっぱり人のぬくもりって大事なんだな」と感じた自分がいました。
車の購入は慎重に考えたい――そんな当たり前の言葉が、少しだけ重みを持った気がします。次に車を買うときは、「どこのメーカーか」よりも「誰から買うか」を大切にしたい。
その意味では、今回のトヨタ体験は私にとってとても貴重な“学びのドライブ”でした。














