先日【TP-Link Archer AX72】を入手しまして、今回はこのWi-Fiルーターをレビューしたいと思うのですが、実際にはレビューと称してAX20との入れ替えによるパフォーマンスの検証を平行してゆきたいと思います。
まず、そもそもこの機種を入手したかった経緯としましては、以下のAX73とAX72との比較を行った際にAX72はAX73の廉価版であると表して記事を公開しているのですが、ではAX72のパフォーマンスって実際はどんなもんなの?を知りたかった事から、20台程度が常時稼働しているWi-Fi機器がある店舗に設置して検証します。
TP-Link Archer AX72の製品仕様
まずは感動の「開墾の儀」をサクッと済ませ、今更な事を書きますが「アンテナが6本」もあるのですよ、パッケージ画像にもあったはずなのにお恥ずかしい・・・とは言え、このアンテナ数は心強いですね。
次に公式サイトからの仕様を拝見させて頂くと、注目すべきポイントを一覧表でお伝えすると、以下の内容となります。
規格 | Wi-Fi 6 802.11ax/ac/n/a(5GHz) 802.11ax/n/b/g(2.4GHz) |
Wi-Fi速度 | AX5400 5GHz 4804Mbps (802.11ax、HE160) 2.4GHz 574Mbps (802.11ax) |
プロセッサー | 1GHzデュアルコアCPU |
有線ポート | ギガWANポート×1 ギガLANポート×4 |
Wi-Fi暗号化 | WPA WPA2 WPA3 WPA/WPA2-Enterprise (802.1x) |
機能 | OneMesh™ 対応 DDNS対応 USB対応 ※1 ※1 HDDなどによる共有化が可能 |
やはり一番気になるのがプロセッサー、AX73では「1.5 GHz トリプルコアCPU」に対してAX72では「1GHzデュアルコアCPU」となっている所でしょう、この辺りがどの程度通信に影響するのかが今回導入を行って検証を行う箇所となります。
次に、安価なモデルには搭載されていないUSBポートが実装されている事で、USBの外付けHDDが共有ディスクとして利用が行えるという点にもメリットを感じるべきでしょう。そして最後に、通信の規格としてもIEEE 802.11axを実装している事から最新のスマートフォンやPCのWi-Fi環境においても最高速度が見込めるのは期待出来そう。
あとは固定回線を光ファイバーでご契約されている方にはギガビットWANポートは必須であることや、PC間同士の通信でもギガビットLANポートが当然のように実装されているのはありがたい仕様となっておりました。
これらの気になるポイントを仕様で確認してみると、家庭内で一般的に利用する通信速度や機能に至っては全ての条件が備わっているので、購入してから「あの機能が足りなかった」などの後悔をする事は一切なさそうです。
TP-Link Archer AX72を設置してみる
当店のWi-Fiルーターの設置方法はちょっとだけ変わっておりまして、実験的に野外に室内用のIPカメラを3台設置しておりまして、これらは以下の記事を参考にして頂ければご理解を頂けるかと思うのですが、少しでも野外のIPカメラとの通信を安定化させる為に、店舗の入り口付近にWi-Fiルーターを設置しているのです。
これにより、外出中でも自宅でも店舗の様子を確認する事が出来ますので非常に便利に利用させて頂いております(これらの用途で、私がTP-Link信者である事がバレてしまいますが・・・)。
因みに、私のWi-Fiルーターの動作モードは「ブリッジモード(アクセスポイントモード)」となっており、既存の光ルーターが割り当てる同一のIPアドレスを与える事で、Wi-Fi環境の子機の設定も容易に設定が行えるようにしております。
動作モードに関しては、それぞれのご家庭の既存の通信機器や環境に依存するものなので、絶対にブリッジモードという訳にはいかないとは思いますが少しでもホップ数を減らすという意味ではおまじないとしてはこの設定はオススメです。
TP-Link Archer AX72の通信速度を測定してみた
皆様が何よりも一番気になっているのはWi-Fiの通信速度だと思います。そこで今回は交換前に測定したAX20の速度をテストし、その後AX72の速度を比較してみました。
環境は回線業者とプロバイダーは「auひかりとSo-net光」で、測定を行った機器はWi-Fi6が実装されるている「iPhone 12 mini」を5GHz環境で接続し、測定するベンチマークはGoogleの「internet speed test
」と検索して行えるサイトを利用しました。
その結果がこちら。
機種 | 下り | 上り |
---|---|---|
Archer AX20 | 1回目 : 430.7Mbps 2回目 : 427.6Mbps 3回目 : 429.7Mbps | 1回目 : 281.6Mbps 2回目 : 249.7Mbps 3回目 : 251.6Mbps |
Archer AX72 | 1回目 : 542.2Mbps 2回目 : 552.8Mbps 3回目 : 545.6Mbps | 1回目 : 265.7Mbps 2回目 : 307.6Mbps 3回目 : 305.4Mbps |
AX20では5GHzの仕様が1201Mbpsに対してAX72では5GHzが4804Mbpsという事もあり、差は歴然で1.28倍も速くなっている事が分かりました。この差は大きいですね・・・100Mbps以上も速くなるのでは動画の再生速度にも大きく影響する事でしょう。
AX20は安価なモデルではありますが、僅か1年足らずにAX72を入れ替えた事でWi-Fi通信環境が劇的に向上した事になります。因みにこのテスト環境中でも「双方のWi-Fiルーターでは20台近くの子機が接続されている」という補足も付け加えるとTP-Linkの製品はコストパフォーマンスが良く非常に安定した動作である事は、数年間使い続けている私が自身をもってオススメ出来るメーカーですね。
一般的にはWi-Fiルーターを5年前以上も交換していない方が、当店がご対応したお客様ではほとんどであったという事もあって、当店ではTP-Link製のWi-Fiルーターをお客様のご予算に併せてご提案しているのもWi-Fiルーターを定期的に交換を推奨する理由となりますので、毎月一定の通信料金を回線業者やプロバイダーにお支払いしているんですから、通信環境は少しでも上げる取り組みをしてみても良いのではないでしょうか。