
「メールを開くと毎回初期化されてしまう」
「デスクトップに保存したファイルが、次に起動したら消えていた」
それなのに、「ExcelやWordのデータは残っている」……。この“アンバランス”な現象、実はストレージ(SSD)の不具合とクラウド同期の有無が関係している可能性があります。
目次
よくあるご相談:一部のデータだけが“残る”?
このようなご相談が増えています:
- OutlookやThunderbirdなどのメールソフトが毎回初期状態になる
- デスクトップに保存したはずのPDFや画像ファイルが再起動で消える
- ところがWordやExcelの作成ファイルはきちんと残っている
この差は「クラウドとの同期が有効かどうか」で説明できる場合があります。
ポイント:クラウドに守られていたのはOfficeファイルだけ?
Microsoft 365やGoogleアカウントを使っている場合、WordやExcelはOneDriveやGoogle Driveと自動同期されていることがあります。
これにより、たとえローカル(PC内)に保存されていたファイルが消えても、クラウド側に自動バックアップされていたファイルだけが“助かる”状態になるわけです。
一方で:
- メールアプリのローカル設定やキャッシュはクラウドに保存されていない
- デスクトップのファイルはクラウド同期の対象外になっているケースが多い
そのため、クラウド非対応の部分だけ巻き戻るというような現象が発生します。
原因の可能性:SSDの不具合を疑う理由
こうした現象がすべてクラウドの有無だけで説明できるかというと、そうとも限りません。
「ローカルの保存状態が正常に維持されていない」という点において、やはりSSDのトラブルの可能性が強く疑われます。
考えられるSSD起因の不具合:
- 書き込みが一時的に失敗している(キャッシュの不良など)
- データの保存が反映されず、次回起動時に“前の状態”に戻る
- SSDが「読み取り専用モード」に移行しており、新規データを保存できていない
- ファイルシステム破損で、保存された内容が反映されない
こうした場合、クラウド非同期のデータは巻き戻り、
クラウド同期済みのOfficeファイルなどだけが助かるという差が生まれます。
確認すべきチェックリスト
- 再起動後に消えるファイルは、どのフォルダにあったか?
- OneDriveやGoogle Driveが有効になっていないか?
- イベントビューアーやCrystalDiskInfoでSSDにエラーが記録されていないか?
- 一時的に別のSSDにWindowsを入れて検証できるか?
対処法とアドバイス
- 大切なファイルはすぐにUSBメモリや外付けHDDにバックアップ
- SSD診断ツール(CrystalDiskInfoなど)でSMART情報をチェック
- SSDを新品に交換 → OSをクリーンインストールして、症状の再発があるか確認
まとめ:症状の裏には「保存先の違い」がある
同じパソコン内でも、「残るデータ」と「消えるデータ」がある場合、
それは単なる偶然ではありません。
- 残るデータ → クラウドに守られているから
- 消えるデータ → ローカル保存で、SSDの不具合で巻き戻されている可能性
放置すると重大なデータ喪失につながるリスクがあります。
「ちょっとおかしいな」と思ったら、まずはご相談ください。