
先日、「Zorin OS搭載PCを無償で提供します」とブログで書いたところ、「欲しい!」という声があまりにも少なくて正直びっくりしました。いや、まさかここまで人気がないとは…(笑)。
無料でも反応がないって、なかなか衝撃ですよ。でもそれだけ、「Linux=よくわからない、難しそう」というイメージが根強いんでしょうね。ならば、自分で使って確かめてみようじゃないか!ということで、1週間ほど、仕事用パソコンとしてZorin OSを使ってみました。
Zorin OSはまるで軽やかに走る「WindowsみたいなLinux」
今回使ったのは中華製のミニPC。スペックはIntel N100、メモリ8GB、SSD搭載。正直、ゲームをやるには厳しいけど、事務作業なら十分といったレベルのマシンです。
で、結論から言うと――
とにかく軽い。めちゃくちゃ軽い。
感覚的には「Windows 7の時代に戻った?」と思うほど。アプリの立ち上がりも早いし、ウィンドウの切り替えもスムーズ。しかもCtrl+Alt+矢印キーでデスクトップを切り替えられるなど、操作性が気持ちいいんです。
日本語入力の完成度が意外に高い
「Linuxって日本語入力がイマイチでしょ?」と思っていた私。しかし、Zorin OSに搭載されている「もずく(Mozc)」がめちゃくちゃ優秀でした。
Google日本語入力がベースになっていて、変換精度が高い。一太郎と肩を並べるレベルと言っても過言ではないです。「あ、これならブログも普通に書けるな」と思った瞬間、“Linuxでも仕事できる”という確信が生まれました。
Braveブラウザが標準搭載。広告なしで快適すぎる
以前のLinuxといえばFirefoxが定番でしたが、Zorin OSでは「Braveブラウザ」が標準搭載されています。
このBrave、すごいんですよ。広告を自動的にブロックしてくれるので、ページ表示がとにかく速い。YouTubeの広告も出ないので、気づいたら作業効率が爆上がりしていました。
正直、これだけでもZorin OSを使う価値があります。「高齢者の方にすすめるならこれだな」と思ったくらい、ストレスがないんです。
ただし、周辺機器の設定は“地雷”
ここまではベタ褒めでしたが、ここからは正直なデメリット。
まず、周辺機器。ロジクールなどのマウスやキーボードの細かい設定ができません。専用ユーティリティが存在しないため、「スクロール速度を変える」「ボタンの割り当てを変更する」といったことが不可能。
つまり、“動くけど設定できない”。このあたりは、Windowsに慣れている人からすると不便かもしれません。
アプリのインストールは「ちょっとした壁」
次に、アプリケーションの追加。これはLinuxおなじみの“ターミナル(コマンド入力)”を使う必要があります。
最初はちょっと緊張しますが、慣れれば「sudo apt install ○○」の一行でサクッとインストール完了。正直、3日も使えば慣れます。
ただ、長年Windowsしか触ってこなかった方や、シニア層にはかなり高いハードルに感じるかもしれません。
プリンター設定が鬼門。でも乗り越えられない壁ではない
プリンターの設定も、やや癖があります。ドライバーが自動で見つからないことがあるので、メーカーサイトでLinux用ドライバーを探す必要があります。
とはいえ、ここも「調べながらやれば何とかなる」レベル。このあたりは、昔の“自作PC時代”を思い出して、ちょっとワクワクしたのはここだけの話です(笑)。
実際、仕事はちゃんとできるの?
これが肝心なところですよね。答えは――まったく問題なし。
請求書作成、メール送信、チャットGPTでの文章作成、ブログ更新。すべてブラウザ上で完結するので、Windowsでやっていた作業がそのままできました。
オフィスソフトも「LibreOffice」で代用でき、文書作成や表計算も不自由しません。むしろ動作が軽くて、Windowsより快適に感じたくらいです。
使ってわかった、Zorin OSの“向き・不向き”
向いている人
- YouTubeやWeb閲覧が中心の人
- メールや文書作成がメインの人
- 多少の設定にチャレンジできる人
向いていない人
- 特定のWindows専用アプリを使う人
- 周辺機器の細かい設定を重視する人
- 「クリックだけで全部終わらせたい」人
つまり、「使う目的が明確な人」には最高ということです。
正直、もうWindowsいらないかも
1週間使ってみた結果、率直な感想は――「もうこれでいいじゃん」。
起動も速いし、動作も軽い。何よりも“無駄な待ち時間”がない。
もちろん完璧ではありません。でも、趣味レベル・学習用・事務用途としては、Windows 11よりも快適と断言できます。
今回、Zorin OS搭載PCをお持ち帰りになったお客様は、お子さんの学習用に使われるとのこと。数年後、そのお子さんがLinuxを自在に操っていたら――なんだか夢がありますよね。
私としては、その日をちょっと楽しみにしています。















