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タウンページ廃止でも集客は減らない?本当に変わったのは“お客様の探し方”だった

今年に入ってふと思ったんです。

そういえば、タウンページ廃止になったんだよな…

うちの店も、ついこの前まで毎月のようにタウンページに広告費を払っていました。平均すると月1万5,000円くらい。年間にしたら、そこそこの金額ですよね。

で、そのタウンページが廃止されてどうなったか。結論から言うと――集客への影響は、まったくありませんでした。電話が鳴らなくなったわけでもなく、お問い合わせが減ったわけでもない。むしろここ最近は、高齢のお客様からのお問い合わせが増えているくらいです。

え、でもタウンページを見て電話してきた高齢の方って多かったんじゃないの?

と昔の自分なら思っていたはずなんですが、実際にお話を伺うと、

  • 過去のタウンページを引っ張り出しているわけでもなく
  • ちゃんとスマホやパソコンで「苫小牧 パソコン 修理」みたいな感じで検索して

そこからうちに辿り着いている方がほとんどなんです。

この現場感覚があまりにも不思議だったので、「市場的にはどうなってるんだろう?」と思い、タウンページ廃止の背景や、集客の流れの変化について少し真面目に調べてみました。

その結果、一つはっきりしたことがあります。

「タウンページ廃止」は“原因”ではなく、もう終わっていた流れの“結果”でしかない

ということです。ここからは、その話をもう少し噛み砕いてまとめてみますね。

紙の電話帳時代の終わりは、とっくに始まっていた

タウンページ終了は「急な話」ではない

NTT東西が紙のタウンページ(職業別電話帳)の戸別配布を終わらせるのは、2026年3月末とされています。同じタイミングで「104番」の電話番号案内サービスも終了する予定です。

理由はシンプルで、

  • スマートフォンの普及
  • 電話番号やお店の探し方が多様化

これによって、タウンページに広告を出す企業も、「104番」を使う人も激減したからです。昔は「104で番号を調べて、タウンページで業者を探す」というのが当たり前の流れでした。でも今は、

「スマホで検索して、Googleマップを開いて、そのまま電話する」

が完全に標準になりました。要は、タウンページが廃止される前に、もう“役目”は終わっていたということです。

「最終版タウンページ」が示すもの

2025年〜2026年にかけて地域ごとに発行される「最終版タウンページ」は、配り方もこれまでと違います。

  • これまで:電話回線を引いていれば、自動的に全戸配布
  • 最終版:欲しい人は「申し込み制」

もうこの時点で、タウンページは「公共インフラ」ではなく、「欲しい人だけが取り寄せる冊子」になっています。一方で、点字版の電話帳や、障害者向けの電話案内サービスは続く予定です。
つまり、

  • 「本当に必要な福祉としてのサービス」は残す
  • でも、一般向けの紙の電話帳は役割を終えた

という整理なんですね。

NTT自身が証明している「覇権の移動」

紙の名簿から、地図アプリの時代へ

いちばん象徴的なのは、NTTタウンページ株式会社自身の事業転換です。

昔:タウンページという「紙の名簿」に広告枠を売る会社

今:中小企業向けに、Googleマップの検索順位対策(MEO)サービスを月額3,300円〜で提供する会社

…はい、完全に立ち位置が変わっています。

要するに、

昔:タウンページ
今:Googleマップ

という構図が固まってしまったので、NTTは「名簿を売る側」から、「Googleマップでちゃんと見つけてもらえるようにする手伝いをする側」に回った、というわけです。昔は「広告費を払ってタウンページに載せる」のが集客のスタンダードでした。
今は、

  • Googleビジネスプロフィール(Googleマップの店舗情報)を整える
  • 写真や情報を更新する
  • クチコミに返信する

といった“運用の手間”が勝負どころになりました。

iタウンページの役割はもはや「検索の場」ではない

紙の後継として、「iタウンページ」というWebサービスもありますが、これ自体が“目的地”として検索される、というよりは、

  • 自社サイトへのリンクになる
  • 権威あるサイトからの被リンクとして、SEOのプラス要因になる

といった「裏方」的な価値の方が強くなっています。つまり、お客さんはもうiタウンページではなく、最初からGoogleで検索している。iタウンページは、Googleの世界で少しだけ背中を押してくれる“道具”のひとつに過ぎない、という立ち位置です。

タウンページは「最後のアナログ安全網」だった

お金さえ払えば載せてもらえた時代

中小企業や個人事業主から見ると、タウンページには大きな特徴がありました。

  • デジタルの知識がなくても
  • ホームページがなくても
  • スマホが扱えなくても

「広告費さえ払えば、一定の露出が必ず手に入る」

という、実はかなり“優しい仕組み”だったんです。

NTTの営業さんが来て、広告枠のサイズを決めて、料金を支払えば、とりあえずその業種のページには確実に載る。そこには、

スキルも、運用も、ログインも、パスワードもいらない

という意味での「最後のアナログなセーフティネット」という側面がありました。

それが消えるとどうなるか

じゃあ、その最後の安全網がなくなったらどうなるか。

  • Googleマップに登録していない
  • ホームページもない
  • SNSもやっていない

こういうお店は、「検索しても出てこない=存在していない」に近い状態になります。昔は「広告費の多少」が勝負でしたが、今は

  • デジタルの知識
  • 情報更新の手間
  • 写真・文章を整える意識

といった、スキルと運用の有無が勝敗を分ける時代になりました。そこで出てくるのが、NTTの新サービス「Digital Lead」のような、「よく分からないなら、月額いくらでこっちでやってあげますよ」という形の“デジタル版セーフティネット”です。

アナログのセーフティネット(タウンページ)はなくなった
代わりに、デジタルのセーフティネット(月額MEO代行)が登場した

という構図ですね。

「高齢者=アナログ」は、もう完全に神話

うちの店でも、データでも、はっきり見えてきたこと

冒頭で書いたとおり、うちの店でもここ数年、高齢のお客様からのお問い合わせが増えています。お話を伺うと、

  • 自分でスマホで検索して
  • Googleマップ経由で電話をかけて
  • ルート案内で店まで来る

という方が珍しくありません。

調査データを見てみても、

  • シニア(60〜79歳)のスマホ利用率はほぼ100%に近い
  • 「人に聞く」ではなく「自分で検索する」スタイルにシフトしている

という傾向が出ていました。

つまり、

「高齢者=タウンページ頼み」
「高齢者=スマホなんて無理」

というイメージは、もはや現実と合っていません。

本当に怖いのは「アクセスできないこと」ではない

ただし、ここで浮かび上がってくる“新しい問題”もあります。

  • スマホは持っている
  • ネット検索もできる
  • でも、詐欺メールや不審な電話が増えている
  • 困っても誰にも相談しない人が多い

という現実です。

高齢者の方にとっての課題は、

「インターネットにアクセスできるかどうか」ではなく、
「その情報が安全かどうか見抜けるか」
「困ったときに相談できる相手がいるか」

に移っています。ここは、パソコン修理屋である自分としても、もっとお手伝いできる余地があるなと感じている部分です。

「変なメールが来たんだけど、これ大丈夫?」
「このサイトからダウンロードしてもいいの?」

そんな“ちょっとした不安”を相談してもらえる場所でありたいなと、本気で思っています。

結論:タウンページ廃止の「影響」はない、でも「宿題」は残っている

あなたの仮説は、短期的には正しかった

自分自身の体感として、

「タウンページがなくなっても、うちの店の集客には全く影響がなかった」

という結論は、調べれば調べるほど裏付けが取れました。

  • 市場はとっくにスマホとGoogleマップ中心に移っている
  • 高齢者も含めて、ほとんどの人がスマホで検索している
  • NTT自身もタウンページではなく、MEO支援に本腰を入れている

なので、

「タウンページ廃止が市場を揺らした」のではなく、
「市場が完全に変わった“あと”に、タウンページが退場した」

というのが実態です。

でも、本当の問題はここから

問題は、

  • デジタル対応できたお店:何事もなかったように、今まで通り(むしろ以前よりも効率よく)集客ができる
  • デジタル対応ができていないお店:ネット上で「見つけてもらえない=存在しない」のと同じ状況になる

という「集客の格差=デジタルデバイド」が、これからどんどんはっきりしていくことです。タウンページがあった頃は、「お金さえ払えば、とりあえず載せてもらえる」という最低ラインがありました。これからは、

  • Googleビジネスプロフィールをちゃんと整える
  • 写真や営業時間をこまめに更新する
  • クチコミに返信する
  • 自社サイトやブログを育てる

こういった一つひとつの“地味な作業”を、コツコツ続けられるかどうかが問われます。もちろん、全部自分でやるのは大変です。だからこそ、

  • NTTのようなMEO代行サービスを使う
  • 地元の詳しい人にお願いする
  • 身内でデジタルが得意な人に頼る

など、「自分でやらない」という選択肢も、これからは立派な戦略だと思います。

おわりに:タウンページの時代にお世話になったからこそ

正直なところ、毎月1万5,000円を払っていた身としては、

「あの頃の広告費、今のGoogleマップ運用に回してたら、もっと効率良かったな…」

なんて、ちょっとした後悔もあります(笑)でも、あの黄色い分厚い冊子のおかげで、開業当初からたくさんのお客様に出会えたのも事実です。だからこそ、タウンページが静かに退場していく今の流れを、単に「古いものがなくなった」で終わらせず、

「次の時代に自分の店をどう見つけてもらうか」

を、あらためて考えるきっかけにしたいなと思っています。そして、もしこのブログを読んでいる同業の方や、別業種の個人店さんがいらっしゃれば、

  • まずは自分の店のGoogleマップ表示をチェックしてみる
  • 営業時間や住所、電話番号が正しいか見直してみる
  • できれば写真を数枚追加してみる

そんな、小さな一歩から始めてもらえたら嬉しいです。タウンページの時代が終わっても、「地元でちゃんと見つけてもらえる店」であり続けるために――。

私も、日々の仕事の合間に、コツコツとデジタルの畑を耕していこうと思います。

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ピシコ
北海道苫小牧市でパソコンとiPhone修理業を営んでいます
三度の飯よりも修理好きでゲームとプラモが趣味
19匹多頭飼いするほどのハムスター好き
最近は筋トレでの減量にハマってます(←NEW)