
今回は、SSDについてのお話です。といっても「SSDが壊れた」という話ではありません。むしろその逆で、「とても健全なのに、誤解されやすいSSD」の話です。
今回確認したのは、KIOXIA製のNVMe M.2 SSD。CrystalDiskInfoで状態を見てみると、健康状態は94%。温度は21℃、使用時間は約5,000時間、書き込み量も約15TBほど。
修理屋として率直に言えば、まだまだ現役、むしろ優秀な部類です。それでも「特定の条件になると、すごく遅くなるらしい」というお声を頂きました。
ここからが今回の本題です。
SSDは、いつでも同じ速さではない
SSDというと、「とにかく速い」というイメージが強いと思います。確かに、HDDと比べれば圧倒的に高速です。ですが、SSDにも得意・不得意があります。
今回のSSDは、Dell Inspiron 24 5410 All-in-Oneの、よく採用されているいわゆる OEM向けNVMe SSD です。普段の使い方――Windowsの起動、アプリの立ち上げ、ネット閲覧、Office作業。これらは本当に快適で、不満はまず出ません。
「遅くなる瞬間」は決まっている
では、どんな時に遅くなるのか。
こういった場面です。
このSSDは DRAMレス設計 になっており、内部のSLCキャッシュを使って高速化しています。普段はそのキャッシュが効いているので速い。しかし、連続して大量の書き込みが入るとキャッシュが一時的に枯渇します。
するとどうなるか。
さっきまで「1500MB/s以上出ていた」SSDが、急に数百MB/sまで落ちることがあります。この挙動を見て、「SSDが壊れたのでは?」と感じてしまう方が多いのです。
これは故障ではありません
重要なのはここです。
つまりこれは故障でも不具合でもありません。このSSDの設計上、想定された動きです。
なぜ今は快適に使えているのか
逆に言えば、「今、まったく問題なく使えている」というのは、非常に自然な状態です。普段の作業は、
SSDが一番得意とする使われ方をしています。だから快適。それだけの話です。

修理屋としての結論
このSSDについての結論は、とてもシンプルです。
今の使い方であれば、交換は不要。
性能も状態も問題ありません。「遅くなることがある」というのは欠点ではなく、性格です。
もし用途が変わったら
将来もし、
こういった用途に変わった時に「遅いな」と感じることがあれば、その時にDRAM搭載のNVMe SSDを検討すれば十分です。今ではありませんが。
SSDは、壊れていないのに疑われやすいパーツです。でも今回のSSDは、ちゃんと仕事をしているだけ。調子がいいなら、触らない。それも立派なメンテナンスです。
今日もまたひとつ、SSDに対する誤解が減れば幸いです。















