
パソコンの販売期が落ち着くと、ふとした静けさが訪れます。
「ようやく一息つけるな」と思ったのも束の間、今度はお得意様からの連絡が次々と入ってくるんです。これがまた不思議なもので、「やっと落ち着いたと思ったら次の波が来た」みたいな、まるで海の満ち引きのような仕事の流れ。
でも、その中でも心がふっと温かくなる瞬間があります。それは、「パソコンを新調したいんですけど、全部お任せします」という一言。
これ以上の信頼表現ってありますかね。見積もりもスペックも予算も全部こちらに丸投げ。普通なら「このパーツにして」とか「予算はこれくらいで」と話があるものなんですが、「ピシコさんに任せます」と言われた瞬間、胸の奥がじんわり熱くなるんです。
仕事も遊びも“全力”な社長さん
そんな信頼をくださるお客様の中に、ちょっと変わった社長さんがいます。
お仕事をしながらゲームもする、いわば「二刀流の社長」。しかもこの方、各拠点ごとに「自分専用のゲーミングPC」を置いているんです。要は、どこに行っても快適に仕事ができて、ついでにゲームも遊べる環境を整えているという――羨ましいような、夢のような話です。
で、今年も例にもれずご連絡をいただきまして、「今年も新しいの、お願いします」と。もちろん、仕様や予算の話は一切なし。「あとはお任せします」の一言。
…プレッシャーですよ?正直(笑)。でも同時にワクワクもします。だって、任されたからには“自分が作りたい理想の構成”で挑めるわけですから。
私が考えた理想の「仕事もできるゲーミングPC」
今回の構成はこちらです。
- CPU: AMD Ryzen 7 7800X3D BOX
- マザーボード: ASRock B650M Pro X3D WiFi (B650 AM5 MicroATX)
- メモリ: Crucial CP2K16G64C38U5B (DDR5 32GB)
- SSD: Western Digital WD Black SN7100 WDS100T4X0E (M.2 2280 1TB)
- 電源: 玄人志向 KRPW-BK750W/85+ (750W)
- CPUクーラー: Scythe MUGEN6 BLACK EDITION SCMG-6000DBE
- ケース: MONTECH XR (B-DP) ブラック
- GPU: ASRock Radeon RX 9060 XT Challenger 16GB OC
ハイスペックでもなく、ロースペックでもない“絶妙なバランス”
正直、構成としては「むちゃくちゃハイスペック!」というほどではありません。でも「これじゃ物足りないな」ということもない。いわば“ミドルレンジのちょい上”。これが一番安定するんですよ。
特に今回は、AMDのAM5ソケットを採用して、CPU・メモリ・SSDのすべてでスピードアップを狙いました。DDR5メモリも載せて、CPUはRyzen 7 7800X3D。この“3D”って名前がミソでして、ゲームに特化したキャッシュ構造を持ってるんです。
同じクロックでも「なんか速いぞ?」って感じるあのサクサク感。そして何より、消費電力が抑えめという優等生。…まぁ、そのぶんちょっとお高めなんですが(笑)。
Radeonをあえて選んだ理由
グラフィックボードにはGeForceではなくRadeon RX9060XTを採用。
これは“あえて”なんです。性能的にはGeForce 5060Tiあたりに近いですが、値段は半額の約6万円。FF14のようなMMO系ではGeForceに軍配が上がりますが、フォートナイトやApexといったFPSではRadeonの方が上。
つまり、「コスパ重視で実用的、しかも遊びも強い」。これが今回のテーマだったんです。
最後の仕上げは「愛着」
ケースはMONTECH XR。これがまた見た目がかっこいい。電源は玄人志向。安定性重視の“通好み”の選択です。このあたり、分かる人にはたまらない構成ですよね。
そして何より、この構成を組んでいる時間が楽しいんです。ネジを締めながら「この人、またこのPCで仕事して夜はゲームしてるんだろうなぁ」と思うと、なんだかこちらまでニヤけてきます。
信頼に応えるために
「お任せします」と言われたその一言に、どれだけの責任と嬉しさが詰まっているか。
今回もその重みを感じながら、“自分が作りたい構成”と“お客様の快適さ”のバランスを追求しました。
この構成で無事に安定動作すれば、間違いなく今年のベストバイ候補。検証結果も後日、またブログでレビュー予定です(たぶん…予定です!)。信頼して任せてくださるお客様に、今年も“ワクワクする1台”をお届けできたら、それだけで十分幸せです。














