
先日、お客様からこんな相談を受けました。「ノートパソコンが勝手に数字を打ち始めるんです。しかも延々と7だけ……」
最初は冗談かと思いましたが、実際にお預かりして電源を入れてみると、ログイン画面のパスワード欄にひたすら「7777777……」が流れ続けるではありませんか。思わず「ホラーかな?」と突っ込みたくなるくらいの勢い。
いやいや、落ち着こう。こういうときはまず冷静に原因を切り分けです。
ケーブルを外しても止まらない
まず試したのが、内蔵キーボードのケーブルを物理的に外す方法。これで直るなら、単純にキーボード不良だろうと踏んでいました。
ところが、ケーブルを外しても「7」は止まらず……。外付けのキーボードやマウスも繋いでいないのに、画面の中では勝手にカタカタ。
思わず頭を抱えました。「これは深いぞ……。」
もしかしてマザーボード?
こうなると、原因はキーボード以外のどこか。実はノートPCって、キーボードの他にもタッチパッドや電源ボード、指紋センサーなど複数の部品がマザーボードと繋がっています。
さらに厄介なのが、キー入力を管理する「EC(Embedded Controller)」という小さなマイコン。これが誤動作すると、物理的にキーボードを外していても「キー押下イベント」を発生させ続けることがあります。
要するに、パソコンが「幽霊の指で押されてる」と勘違いしている状態ですね。
BIOS画面での確認と放電処理
こういうときの鉄板ステップは、まずBIOS画面で再現するかチェック。もしBIOSでも「7」が出続ければハードの問題、出なければWindows側のソフト不具合。
そして次に試すのが放電処理。バッテリとACアダプタを外して電源ボタンを30秒長押しすると、内部のECがリセットされることがあります。
実際、これだけで直るケースもあるので、やる価値ありです。
BIOSアップデートという切り札
さらに可能性として有効なのがBIOSアップデート。メーカーによっては、こうした「勝手にキー入力される」症状をBIOS更新で直してくれることがあります。
今回の対象はInspiron 14 5445ですので、最新のBIOSではセキュリティ改善だけでなく安定性向上の修正も含まれているため、まずは試す価値ありです。
最後は基板修理の出番かも
もしここまでやってもダメなら、いよいよ基板修理の世界。ECチップの交換やマザーボードのクリーニングが必要になるかもしれません。
正直、ここまで来ると一般ユーザーが自力で直すのは難しいので、修理屋さんに相談するのが一番安全です。
まとめ
怪奇現象でも諦めないで「勝手に7が押される」という一見ホラーな現象でも、落ち着いて順番に切り分ければ原因にたどり着けます。
- BIOS画面で再現するかチェック
- 放電処理・CMOSクリア
- BIOSアップデート
- それでもダメなら基板修理へ
こうしてステップを踏めば、無駄にパーツを買い替えるリスクも減らせます。