AMD Ryzen 7 8700Gの登場で、デスクトップPC市場におけるAPU(Accelerated Processing Unit)の最新進化形として注目を集めているようです。因みにこのAPUとは、CPUとGPUの機能を一つのチップに統合したもので、特にグラフィックス性能の向上に焦点を当てた製品。今回はこの発売されたばかりの8000Gシリーズ中の最上位APUとなる、Ryzen 7 8700Gの特徴を掘り下げて紹介したいと思います。
AMD Ryzen 7 8700Gの概要
- 発売日: 2024年2月2日
- 仕様: 8コア16スレッド、最大5.1GHz、L2/L3キャッシュ合計24MB、Radeon 780M(12コア)グラフィックス、Ryzen AI搭載
- RDNA 3アーキテクチャベースのRadeon 700Mシリーズグラフィックス
- NPU(推論プロセッサ)「Ryzen AI」統合
- TDP(熱設計電力)65W
- メモリ速度サポートはDDR5-5200 MT/s
- PCI-Express 4.0 x8 GPU拡張スロット対応
ライトゲーマー向けのAPUとなるか?
AMD Ryzen 7 8700Gは、特に内蔵グラフィックスのパフォーマンスを重視するユーザーにとって、非常に魅力的な選択肢となりそうです。つまりはライトゲーマー向けとして対応できるギリギリのAPUとしてであり、高いエネルギー効率と競争力のある価格で注目を浴びそうです。
今回注目すべき点として「Ryzen AI」と「RDNA 3アーキテクチャ」によるグラフィックスの向上が、これからのPCパーツ選びとして優位になるかが気になる所。
次に、新しいテクノロジーとなる特徴を掘り下げてみましょう。
AMD Ryzen 7 8700Gの特徴
RDNA 3アーキテクチャの採用
Ryzen7 8700Gの大きな特徴の一つは、内蔵グラフィックにRDNA 3アーキテクチャを採用している点。このアーキテクチャは、AMDのモバイル向けRyzen 7040シリーズや8040シリーズにも使用されており、従来のRDNA2アーキテクチャを搭載したRyzen 7000シリーズと比較して大幅な性能向上を実現している様子。具体的には、Radeon 700Mシリーズグラフィックスを搭載し、4から12コアのGPUコア数による強力なグラフィック処理能力を提供するそうです。
Ryzen AIの統合
Ryzen 7 8700Gは、AMDが新たに導入したXDNAアーキテクチャに基づく推論プロセッサ「Ryzen AI」を統合しているようです。この機能は、特定のアプリケーションにおけるAI処理を強化し、ユーザー体験を向上させることが目的。ただし、この機能は上位モデルにのみ搭載されているため、Ryzen AIを利用したい場合は、選択肢が限られる点に注意が必要(つまりRyzen 7 8700Gを選べってことです)。
性能と消費電力のバランス
Ryzen 7 8700Gは、8コア16スレッド、最大5.1GHzのブーストクロック、L2/L3キャッシュ合計24MBを特徴とし、DDR5-5200 MT/sのメモリ速度に対応。これにより、高いマルチタスク性能と速い処理速度を実現しているそうです。さらに、65WのTDPを維持しながらこれらの性能を提供することで、消費電力の効率も良好だとか。
ゲーム性能の向上に期待
これらの内蔵グラフィックの性能向上により、Ryzen 7 8700Gは、従来のAPUと比較して高度なゲームプレイが可能になったようです。様々なゲームベンチマークテストにおいて、フルHD解像度での快適なプレイが出来るみたいです。特に、AFMF(AMD FidelityFX Super Resolution)やHYPR-RXといった技術を使用することで、さらにフレームレートを向上させることが可能との事なので、一言で述べれば「コスパは良い」という事。
各種ゲームでの性能は?
次は皆様が一番知りたい情報として「AMD Ryzen 7 8700Gの内蔵GPU性能と特定のゲームにおけるパフォーマンス」を掘り下げてみます。このAPUがどのようなゲームでどれほどの性能を発揮するのか、様々なYouTubeレビュー(シュラララ!!さんやFPSおじさんさん)からの情報に基づいて具体的なゲームの例を挙げてまとめてみました。
1. ファイナルファンタジーXIV (FF XIV)
- 設定: フルHD最高画質
- 結果: Ryzen 7 8700Gは5700Gと比較して約2倍のスコアを記録し、明らかに滑らかなゲームプレイを実現。これにより、最新タイトルを含む多くのMMORPGやオンラインゲームを高画質設定で楽しむことができるが可能?
2. ファイナルファンタジーXV (FF XV)
- 設定: フルHD高品質
- 結果: こちらも5700Gと比較して圧倒的なスコアを記録。8700Gは高品質設定でも快適にプレイ可能で、グラフィックスが要求されるシングルプレイヤーゲームにも適している様子。
3. APEX Legends
- 設定: フルHD最低設定
- 結果: 最低設定で平均120FPSを超えるパフォーマンスを実現し、5700Gと比較して約2倍のフレームレート。これにより、競技性の高いFPSゲームも快適にプレイできるようです。
4. フォートナイト
- 設定: パフォーマンスモード、3D解像度/描画距離最大
- 結果: 平均190FPS近くを記録し、5700Gの倍近いパフォーマンスを発揮。ビクトリーロイヤルを目指すプレイヤーにも十分な性能を発揮か?
5. Valorant
- 設定: フルHD最高設定
- 結果: 平均240FPS、最低140FPSという結果を出し、極めて高いフレームレートでのプレイが可能。eスポーツ向けタイトルでも優れたパフォーマンスを発揮か?
6. サイバーパンク2077
- 設定: フルHD低設定
- 結果: AFMF機能を使用することで、平均FPSが大幅に向上し、最新タイトルでも快適にプレイ可能に。ただし、設定を低めにする必要があるようです。
予算重視なら買いかと
今回の調べてAMD Ryzen 7 8700Gは、その強力な内蔵GPUにより、多くの現代のゲームを快適にプレイできる能力を持っている事がわかりました。
また、AFMF機能の利用により、最新タイトルでもぬるぬるとプレイ可能となり、新時代のAPUとして高い性能を発揮するのは理解出来ましたが、「やっぱりライトゲーマー向けである」事を前提に考えなければ大事故に繋がる内容ですので、「俺は・・・Ryzen 7 8700Gで最強ゲーミングPCを作る!!!」なんて意気込んではダメです。
比較をするならば対立するものは「i5-13400FとGTX1650構成程度」らしく、この性能と同等かそれ以上と事なので、現状AMD Ryzen 7 8700Gが5万円程度で購入出来る事を考えれば、十分安価とも考えられるので、コスパ良しと判断するか時代的にRTX4060程度のグラフィックボード性能を期待するのであれば選択をしない事です。
でもまぁ・・・このAPUが5万、マザーボードが1万、メモリで1万、SSDで1万、電源ユニットで1万で考えれば(ケースやOSの費用は覗いて)、10万円以下で最新のゲームがぬるぬる動く、と考えれば妥当なのかもしれませんね。