
「PINが通らず起動できない」そんなトラブル、増えています
最近、当店にも「SurfaceでPINコードが通らず、ログインできない」というご相談が増えています。
Surfaceは非常にスリムでスタイリッシュなデバイスですが、パスワードやPINコードを失念した場合、初期化を選択せざるを得ないことが多くなります。
この記事では、「初期化が可能なケース・不可能なケース」や「初期化時の注意点」「データ復旧の難易度」について、専門店の視点からわかりやすく解説します。
Surfaceの初期化は可能。しかしデータ復旧は“ほぼ不可能”な理由
✅ 初期化は専用USBハブがあれば可能
Surfaceシリーズは、多くのモデルがUSB Type-CまたはSurface Connectポートのみの搭載で、通常のUSBメモリによる回復ドライブの使用が難しい場合があります。
そのため、Type-C対応のUSBハブ(またはドック)を利用することで、外部メディアからWindowsの再インストール(初期化)を行うことができます。
🔧 Surface専用の「回復イメージ」が必要な場合あり
Microsoftの公式サイトから機種別にダウンロード可能です。
❌ データ復旧は難易度が非常に高い
Surfaceシリーズの多くのモデル(特にSurface Laptop、Surface Proの一部)は、SSDがマザーボード直付けとなっているため、通常のPCのようにストレージだけを取り外して読み込むという手法が使えません。
さらに、
- BitLockerで自動的に暗号化されていることが多く、
- Microsoftアカウントの認証情報が必要(PIN・パスワードのいずれか)、
- OSが起動しないと復号キーの取得もできない、
といった条件が重なるため、初期化=完全データ消去と考えてよいでしょう。
修理・初期化依頼時のお願い事項
🔌 純正のACアダプターをご持参ください
Surfaceシリーズは独自コネクタ(Surface Connect)を採用しており、一般的な電源機器では給電できません。
また安定化電源のような高機能な電源装置でも、専用先端がなければ使用できないため、必ず純正ACアダプターをご持参ください。
Surfaceの寿命と初期化後の使用について
Surfaceシリーズは軽量・高集積構造ゆえに、内部の放熱設計や耐久性に限界があります。
- 標準的な寿命はおよそ5~7年(※使用状況により前後します)
- 初期化後、再び快適に使えるのは購入から2~3年以内のモデルが目安
- マザーボード全体への負荷が大きいため、使用頻度にかかわらず経年劣化が進行
「まだ5年しか使っていない」=「買い替え検討の時期」です。
当店では、Surfaceの初期化や修理は主に発売から3年以内の機種を対象としております。古いモデルについては、修理よりも買い替えをご案内させていただく場合もございます。