
「こんなに安くて大丈夫?」と思ったら…
最近、ちょっとした変化を感じております。それは、「Temuで買ったんですけど…」というパソコンの修理依頼が、ほんのり増えてきたということ。
たしかに、Temuといえば超激安で話題になった通販サイト。私も好奇心から覗いたことがありますが、「この値段でノートパソコン…?」と二度見したくなる価格帯。下手すりゃ外付けHDDより安いんじゃないか?ってくらい
そんなお値段のPCですから、なんとなく「不安だなあ」と思っていたら、案の定…というお話がちらほら届くようになったわけです。
電源が入らない!それ、もしかして…
まず多いのが、「電源が入らないんです」というご相談。起動ボタンを押してもうんともすんとも言わない。慌てて電源ケーブルを変えてみてもダメ、周辺機器を外しても反応なし。
ここでひとつ気づいたのが、「外付けの何かを挿したまま起動していた」という共通点。えっ、そんなことで?と思われるかもしれませんが、どうやらTemuのノーブランドPCの中には、USB機器などの接続にものすごく神経質な子たちがいるようなんです。
まるで、「朝ごはんに納豆が出ただけで学校に行かない小学生」のような…扱いづらさ。本来のパソコンなら、USB挿してようがHDDつないでようが普通に起動してくれるのが当然なんですが、Temuっ子たちは違う。こだわりが強い。
まさかの「不良率2割」説?
ちょっと調べてみたところ、あるユーザーさんいわく「10台買ったら2台は動かない」とのこと。これはなかなか衝撃的です。
もちろん、これはあくまで個人の体感ですけど、他の方も似たようなことを言っていて、「10台に1台はゴミ箱直行でも文句は言えない」くらいの気持ちで買ってる人もいました。つまりそういう世界なんですね。安かろう悪かろう、とはよく言ったもので、もはや「ギャンブルPC」と呼んだほうがしっくりくるかもしれません。
周辺機器との相性、まるで合コンの空気感
それだけじゃありません。HDMIケーブルで外部モニターに繋いでも映らない、無線マウスを認識しない、プリンタとの通信が不安定…など、いわゆる「相性問題」が多発。
昔の合コンを思い出します。見た目は悪くないのに、話しかけると全然ノってこない。返事もワンテンポ遅い。あの気まずさにそっくりなんです。「使えると思ってたけど、使えなかった」このガッカリ感は、テンションが下がる一方です。
バッテリーの持ち?それ聞いちゃいます?
あと意外と見落とされがちなのが、バッテリーの持ち時間と発熱問題。とある製品では、実働7時間って話もありましたが、それが本当かどうかは正直分かりません。なにせ、温泉卵ができそうなくらい本体が熱くなるモデルもあるようで…。
冷却ファンがついていても役に立たないとか、筐体がやけに軽いと思ったら中身がスカスカだったとか、ちょっとしたホラーです。しかもPSEマークすら付いていないバッテリーもあるとのことで、「もしやこの子、家を燃やす気じゃ…?」なんて冗談も飛び交ってます。
サポート?保証?…無いとは言わないけど
修理屋として特に気になるのが、「サポートどうなってんの?」って話。
日本のメーカーであれば、故障時に問い合わせすればある程度ちゃんと対応してくれるじゃないですか。でもTemuのPCは、そもそもどこのブランドかも分からない。返事が返ってくるだけマシ、という世界。
とはいえ、Temu自体には「90日返品保証」があるので、初期不良に限っては意外とスムーズに返金されることも多いみたいです。中には「返品不要で返金だけしてくれた」というラッキー体験談も。ただ、「保証期間過ぎたら自己責任」って雰囲気は濃厚なので、買ってすぐ動作確認するのが鉄則ですね。
それでも「安いからアリ」という声もある
ここまで読んで、「やっぱりTemuでPCなんて買っちゃダメじゃん!」と思った方。実はそうとも言い切れないのが面白いところです。
というのも、「動画視聴とネットだけなら全然OK」「サブ機としては最高」という声もけっこう多いんです。つまり、「割り切れるかどうか」がカギ。たとえば、自転車を買ったら最初からサドルが割れてた。でもペダルは回るし乗れる。そんな状態でも「これで通学できるならいいや」と思えるなら、TemuのPCはアリなんです。
モデル名・用途イメージ | CPU | メモリ(RAM) | ストレージ | ディスプレイ | 参考価格帯 |
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エントリーモデル(学生・普段使い) | Intel Celeron / Pentium | 4~8 GB | 128~256 GB SSD | 14〜15 HD/FHD | 約1〜3万 円(セール時5,000円台あり) |
Celeron N97 ミニPC | Intel N97 | 16 GB | 512 GB SSD | デスクトップ | 約23,000円 |
ミドルレンジ(テレワーク・Web用途) | Intel i3 / i5 または Ryzen 5 | 8~16 GB | 256~512 GB SSD | 14〜15 FHD | 約3~6万 円 |
Ryzen 7 ミニPC | Ryzen 7 5825U | 32 GB | 512 GB SSD | ミニPC | 約36,000円報告あり |
ハイエンド・ビジネスPC | Intel i7 / Ryzen 7 | 16~64 GB | 512 GB~1 TB SSD | 15~16 FHD | 6~10万 円 |
ゲーミングデスクトップ | Intel i7-11700F + GTX 1660 Super GPU | 16 GB | 512 GB SSD | 別売り | 約5.7万 円 |
最後に:買うなら“覚悟”を
この話の結論としては、「Temuのパソコンは、運が良ければ掘り出し物だけど覚悟は必要」
そういうことなんです。
お店の立場として言うなら、「お客さんが泣かない選択肢を選んでほしい」って気持ちが強いです。でも、「人柱になってでもこの値段に挑みたい!」というチャレンジャー精神をお持ちの方は、どうか“買ってすぐ確認”だけはお忘れなく。
そして、もしも何か困ったことがあったら…そのときは、私たちの出番です。