
パソコンの修理って、正直、毎回違うドラマがあります。同じように「起動しないんです」と言われても、原因は千差万別。HDDがご臨終だったり、メモリがヘタってたり、はたまたウイルスにやられてたり。
そんな予測不能な現場に、私が必ず持っていくのがVentoyを入れたUSBメモリです。
今日は、そのVentoyの話を、修理屋目線で語ってみようと思います。
ISOをコピーするだけ?そんなバカな…と思った
最初にVentoyの存在を知ったとき、正直こう思いました。
「USBにISOファイルを入れるだけで、複数のツールが起動できる?そんな都合のいい話ある?」
でも、実際に試してみて驚きました。本当に入れるだけでいいんです。Windows PEだろうが、Linuxだろうが、ウイルス駆除ツールだろうが、一つのUSBで全部対応できる。
昔は、用途ごとにUSBを何本も用意してたんですよ。ウイルス駆除用、バックアップ用、メモリチェック用…まるで“USBの束”を腰にぶら下げる修理屋状態。それが1本に全部入る時代が来た。これ、衝撃でした。
Ventoyが変えた、現場の「心の余裕」
先日、あるお客様のご自宅で「パソコンが立ち上がらない」と呼ばれました。どうやらWindowsの更新が途中で止まり、再起動ループに入ってしまったとのこと。
こういう時、従来なら「Hiren’sのUSBは…」「あれ、ESETのスキャンツールはどこだっけ?」と慌てていた私が、今ではVentoyのUSB一本を挿すだけでこう言えます。
「ちょっとお時間ください、色々見てみますね」
そこから、Macrium Reflectでシステムをバックアップして、Hiren’sでWindowsの修復を試し、最後はUbuntu Liveでデータをサルベージ。すべて1本のUSBで完結しました。
あのとき、「すごいですね…全部これでできちゃうんですか?」と言われた時はちょっと誇らしかったです。
Ventoyのいいところ
- 複数ISOファイルをそのままUSBに保存するだけでOK
- 更新も簡単:ISOファイルを入れ替えるだけ
- UEFI / Legacy 両方対応
- Secure Bootにも対応(最新バージョン)
- ブートメニューがわかりやすく、日本語表示も可能
これ、無料で使えるって本当にありがたい話です。
具体的に何を入れてるかというと…
私のVentoy USBには、こんなツールが入ってます
ツール | 目的 |
---|---|
Hiren’s BootCD PE | 総合診断&復旧 |
ESET SysRescue Live | ウイルススキャン |
Macrium Reflect Rescue | システムバックアップ |
MemTest86 | メモリ診断 |
Ubuntu Live | データ救出・Linux検証 |
Windows 10/11 インストールISO | 再インストール用 |
Sergei Strelec PE | 高度なシステムメンテナンス |
こうして見ると、自分で作った「小さな診断センター」みたいな感じです。
自作派・修理屋・バックアップ重視の人にこそオススメ
Ventoyの魅力は、作業効率の向上だけじゃないんです。「現場での心の余裕」と「備えがある安心感」も手に入ります。
たとえるなら、「そのへんの工具箱」じゃなくて「必要な工具がピッタリ収まったプロ仕様のツールキャビネット」を持ち歩いているような感覚。しかもポケットに収まるサイズで。
もしあなたがパソコン修理に関わっているなら、あるいは「いざという時の備え」を大切にしたい方なら、Ventoyは確実に人生がちょっと楽になるツールです。
たった1本のUSBが、10本分の働きをしてくれる。
しかも、中身の入れ替えはドラッグ&ドロップ。
この快感、一度味わったら戻れません。
私にとってVentoyは、もはや修理道具じゃなくて“相棒”です。
ぜひ、あなたの仕事や生活にも取り入れてみてください。
きっと、想像以上の働きをしてくれるはずです。