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Windowsだけが選択肢じゃない。Linux受付マシンとデジタル顕微鏡の意外な親和性

最近、お店に立っていて強く感じることがあります。それは、言葉だけで説明するのではなく、お客様自身の目で「何が起きているのか」を見ていただくことの重要性です。

ここが壊れていますよ」と口で言うのは簡単ですが、実際の基板の傷や部品の破損を画面でお見せした時の納得感には敵いません。対面サービスの質を上げるには、やはり視覚的なアプローチが不可欠だと感じています。

そんなことを考えていた矢先、ちょうどAmazonのブラックフライデーでセールになっていた「SKYBASICデジタル顕微鏡」を見つけました。圧倒的な人気商品で、修理専用のガチガチな機材というよりは、お客様と一緒にパッと覗き込むのにちょうど良さそうな「簡易的な目」として導入することにしました。

なぜ、あえて受付でLinuxを使うのか

この顕微鏡、スマートフォンに繋いで手軽に使うのも良いのですが、当店ではあえて店舗の受付にあるデスクトップパソコンに繋ぐことにしました。しかも、そのパソコンのOSは「Linux」です。

え、なんでWindowsじゃないの?」と思われるかもしれません。

実はこれ、私なりのちょっとしたこだわりなんです。お客様に「パソコン=Windowsだけじゃないんだ」という選択肢を感じていただきたい。LinuxというOSが、マニアだけのものじゃなく、もっと身近で普通に使えるものなんだと知っていただくきっかけになれば…そんな想いで、受付用マシンにはLinuxを採用しています。

私は「超」がつくほどのLinuxライトユーザーです

偉そうなことを言いましたが、正直に白状します。私はLinuxを熟知しているエンジニアではありません。むしろ、「超超超」がつくほどのライトユーザーです。

黒い画面(ターミナル)にコマンドを打ち込んでソフトをインストールしたり、設定ファイルを書き換えたり…なんてことは、正直苦手です。最近ではAIに頼り切りですし、WindowsやMacが直感的な操作(GUI)で普及したように、Linuxでもマウス操作だけで完結させたい派です。

だからこそ、この顕微鏡を買った時、一抹の不安がありました。「もし、ドライバを入れるのに難しいコマンドが必要だったらどうしよう…」

難しいことは一切なし。「挿すだけ」の感動

商品が届き、恐る恐るUSBケーブルをLinuxパソコンに挿し込んでみました。

結果は、拍子抜けするほど一瞬でした。

難しい設定も、コマンド入力も一切不要。Linuxに入っている標準のカメラアプリ「Cheese」をマウスでポチッと起動しただけで、画面いっぱいに鮮明な拡大映像が映し出されたのです。

どうやらこの顕微鏡、「UVC(USB Video Class)」というWebカメラと同じ共通規格で作られているため、OSを問わず「ただのカメラ」として認識されるようです。

直感的に使えることの大切さ

画面に映った基板の様子を見て、私は改めて「GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)」の偉大さを感じました。難しい理屈抜きに、アイコンをクリックして、画面を見る。この直感的な操作感こそが、道具を道具として使いこなすための鍵なんですよね。

Windowsじゃないと動かない、難しい設定が必要…そんなハードルを、この顕微鏡と今のLinuxは軽々と超えてくれました。これなら、お客様をお待たせすることなく、「ほら、ここを見てください」とスムーズにご案内できます。

当店では、この新しい相棒を使って、お客様の大切なデバイスの状態をこれまで以上に分かりやすく解説させていただきます。「Linuxって意外と便利なんだね」なんて会話も、修理の合間に楽しめたら嬉しいです。