
新品のNASなのに「ネットワークが不安定」?
パソコン修理屋として数々のネットワークトラブルを見てきましたが、今回は「見えない敵」と戦った記録です。
2026年1月28日、企業のクライアント様向けにSynology NASのセットアップを行っていた際のこと。 インターネット接続も正常、パッケージのインストールもできる。それなのに、QuickConnectの「新規登録」だけが絶対にできないという現象に遭遇しました。
画面に出るのは無情な「ネットワークが不安定か、システムがビジーのため接続できません」というエラー。
結論から言うと、こちらの設定ミスではありませんでした。Synology側のサーバーがダウンしていたのです。 そこに至るまでの「切り分け」の過程と、教訓を共有します。
1. 発生した状況
- 日時:2026年1月28日
- 機種:Synology NAS(2ベイモデル)
- 症状:
- QuickConnectを有効にしようとするとエラーが出る。
- 既存のアカウントでのログインではなく、「新規のID登録」処理が弾かれる。
- NAS自体のインターネット接続(アプリ更新など)は問題なし。
2. 疑ったこと、試したこと(技術的な切り分け)
当初は「ネットワークが不安定」というメッセージを真に受け、こちらの環境(社内LAN)を疑って以下の対策を徹底的に行いました。
- DNSの固定:Google Public DNS (
8.8.8.8) に変更。 - IPv6の無効化:v6プラス環境などの相性を考慮してOFFに。
- ルーターのポート開放:HTTPS(443)などを手動で通過設定。
- モード1リセット(物理初期化):
- SSH接続すら拒否される挙動があったため、本体背面のRESETボタンでネットワーク設定を初期化しました。
「ここまでやれば繋がるはずだ」と確信して再度トライしましたが、それでも「ネットワークが不安定」のエラーは消えませんでした。
3. 判明した「真の原因」
初期化までしてダメだった時点で、ふと「こちらの問題ではないのでは?」という疑念が生まれました。
そして2026年1月28日 15時43分。 特に設定を変えていないのに、突如としてQuickConnectの登録が「成功」しました。
原因:Synology側のサーバーダウン
原因は単純にして最悪のパターン、「SynologyのQuickConnect登録サーバー(中継サーバー)自体がダウンしていた」ことでした。
- パッケージセンターが繋がっていた理由:アプリ配信サーバーとは別のサーバーだから。
- 新規登録だけ弾かれた理由:IDを管理・発行する認証サーバーが落ちていたため、「入り口」が閉まっていた。
エラーメッセージの「ネットワークが不安定」というのは、こちらのLANのことではなく、「Synology側のサーバーが応答しない(不安定)」という意味だったのです。
4. 教訓、エラーメッセージを疑え
今回の教訓は2つです。
- 「ネットワーク不安定」は「相手が落ちている」可能性もある
- こちらの設定(DNSやIPv6)を完璧にしてもダメな時は、メーカー側の障害情報を疑うべきです。
- QuickConnectだけに依存しない(Bプランの重要性)
- 今回のようにメーカーのサーバーが落ちると、外部からアクセスできなくなります。
5. 【推奨】サーバーダウンに強い「Tailscale」を入れておこう
QuickConnectは手軽ですが、メーカー依存のリスクがあります。 そこでおすすめなのが、Tailscale(テイルスケール) の併用です。
- 特徴:Synologyの中継サーバーに依存せず、独自のP2P技術で接続します。
- メリット:今回のようにSynology側がダウンしていても、Tailscaleが生きていれば外部からNASにアクセスできます。
導入は簡単
- パッケージセンターから「Tailscale」をインストール。
- Googleアカウント等でログイン。
- スマホやPCにもアプリを入れて同じアカウントでログイン。
これだけで、緊急時の「裏口」が確保できます。 QuickConnectのトラブルで時間を溶かさないよう、転ばぬ先の杖として導入を強くおすすめします。














