ゲームというものは普通は飽きてしまったら、もう二度と遊ばない物が多い中で、これほどまでにリピートして遊んでしまうタイトルも珍しいものです。
それがファイナルファンタジーXIV(FF14と略して言われます)というタイトル。これは現在ではPS4とパソコンで遊ぶ事ができるのですが、インターネットには繋がないゲームとは違って月額課金制なのです。
今回は私の中で不思議に思っている「FF14が飽きられては出戻る人が多い現象」を簡単にですがお伝え出来ればと思います。
スマホゲームに圧される現代で
最近ではスマートフォンが手軽な事から、家庭用ゲーム機に劣らない本格的なゲームがスマホで楽しめるようになりましたよね。その中でもモンストやパズドラやFGO等では、時間をかけてじっくりと成長させる内容が現代では好まれている事から、アプリ内課金で強くなるだけではなく時間を要する事で、やりこみ要素が継続率に繋がっているようです。
そんなスマホの時代にFF14で遊ばれる方は、スマホのゲームをしないのか?と思われるかもしれませんが、これが意外にも無茶苦茶遊んでいる様子。”自宅ではFF14、出先ではスマホゲーム”を両立して遊ばれているみたいです。
では何故この様な遊び方をしているのか?と聞くと、ゲーム内でそのゲームの内容だけでは息が詰まる時代となっているらしく、ゲーム内で別のゲームの話題をして盛り上がるという不思議な現象が起こっているのです。
具体的にはFF14内で知り合ったメンバー同士が、スマホのゲームの話題で盛り上がっている人たちを見かける事があります。これは現実社会で例えると、職場や学校で「昨日のワールドカップの予選観た?」と同じです。
なんだそれ・・・と思われるかもしれませんが、スマホゲームの中でもチャット機能がありますが、未成年も多く居ることから、日常会話にもならない下ネタや揶揄を行う傾向もある事から、コミュニティとしては成立しないというのが現状かと思われます。
一方で、据え置き機(PS4やパソコン)となるゲームでは平均年齢が比較的高い事から、大人な会話を楽しめるという事もスマホとは違う要素の一つとなっております。この中での会話ではキーボードやボイスチャットを使って会話を楽しめる事から、コミュニュケーションを行う環境の選択肢を選べる事から、ゲームをしながら晩酌をしたり、好きなテレビを観ながら雑談を行うという、”ネット上でのお友達”が確立されているとの事。
この要素がFF14を繋ぎ止めている要素である一つであり、出戻り組はこの再会を求めて復帰するという傾向があります。また復帰をするきっかけとして、ゲーム内で知り合った仲間とのTwitterのタイムラインを見て、また遊びたくなる傾向が強いと言われております。
何故か随所でバズるFF14
FF14のゲームとしての魅力を何一つお伝えしておりませんが、ゲーム要素としては申し分はありません。その証拠に、様々な角度から注目を浴びた事で新規ユーザーが集まった事がありました。その最初のきっかけとしては個人ブログから書籍化、そしてドラマまで発展したタイトルが「光のお父さん」というものでした。
定年退職をしたお父さんにゲーム機を与え、息子と知られずにゲーム内で支援する様子は、観ているとドラマや映画で流行した「電車男」のような展開。ブログを通じてゲーム内のプレイヤーも参加して「お父さん」を盛り上げる様子を面白く解説し、最後は感動もあり。この影響でFF14では新規プレイヤーがかなり増えたとの事です。
また、その半年後にはアーティストの「GLAYのTERU」がFF14を始めたとSNSで投稿されてからFF14は更に再燃。ネット配信で開発者が1年に一度開催される「14時間生放送」ではTERUを招いて雑談放送を行いました。
FF14は気軽に遊べるゲームではありません。操作性やゲーム性が面白いことで時間をかけてでも遊びたくなる要素が満載。最近ではドマ式麻雀という「麻雀」が実装された事で、RPGに疎遠だったユーザーからも注目されている事から、FF14を再度作り変えた「新生エオルゼア」が発売されてから早5年が経過しましたが、毎年再燃しているゲームは本当に珍しい事です。
では、飽きてしまっては戻りにくい状況を払拭させるコメントを、このゲームのプロデューサー件ディレクターの吉田直樹さんが話しておりました。「無理をして毎日やらなくていいよ、ゲームなんだし」というコメントから始まり、「今は沢山のゲームがあるので一つに絞るのはストレス、飽きる前にパッと辞めて他のゲームをやるべき」との事。そして「またメジャーパッチがでたら戻ってくる、結果、それが一番長くゲームをプレイするコツ」だそうです。
これらのコメントをさらりと言えるプロデューサーのスタンスが今の「出戻り組」を呼び戻しやすい環境を作り上げているのでしょう。飽きたらやめればいい、面白そうに感じれば戻ってくる。そんなゲームがあることはホントにありがたい事ですし、この絶滅危惧種のようなMMORPGをFF14が支えて下されば・・・と願うばかりです。