
毎年8月になると、私には「夏が始まったな」と思わせてくれる出来事があります。
それが RTA Japan
8月9日から15日まで行われていたこのイベント。RTAとは「リアルタイムアタック」の略で、ゲームをどれだけ早くクリアできるかを競うもの。しかもそれをリレー形式でつなぎ、Twitchで配信しながら「国境なき医師団」への募金を呼びかける——そんなボランティア精神にあふれた催しなんです。
普段は「今年の夏は何から始まったんだろう?」なんて考えることもないのに、この配信が始まると不思議と「よし、夏だ」とスイッチが入る。毎年恒例の私の小さな合図のようなものです。
お盆と共に終わる夏
配信はお盆の始まりと共に始まり、お盆の終わりと共に幕を閉じる。今年も15日の夜、ファイナルファンタジーX-2 のRTAを最後に、配信が終わりました。テレビの前でその瞬間を見届けると、どこかで花火大会が終わった後の静けさに似た気持ちが押し寄せる。
「夏が終わったなぁ」
そう呟いた自分の声に、なんだか笑ってしまいました。
生活の軸にある配信
正直、RTA配信なんてマニアックな趣味です。けれど一度ハマると、もう生活のリズムの中にすっかり入り込んでしまうんです。
カレーを煮込みながら配信を流す。
夜はプラモデルを作りながら、BGMのように流しておく。
墓参りから帰ってきたら、その足でまたテレビの前に座る。
気付けば、私の夏休みの行動の軸はRTA Japanに沿って動いているようでした。
ゲーム配信の中の異端児
今の世の中、ゲーム配信といえばプロゲーマーやVTuberが人気を集めていますよね。華やかで、賑やかで、エンタメ全開。
その一方で、ただひたすら最短クリアを目指すだけのRTA配信は、まるで無骨な職人芸のようなもの。だからこそ刺さる人には深く刺さるのだと思います。
今年も特に印象に残ったのは 「あさつみ」さん のプレイ。なんと今年挑戦したのは、2002年発売の「アメリカ横断ウルトラクイズ」。
彼は「まだ知らない問題が出てくるんですよ」と笑っていました。20年以上もやり込んでなお、新しい発見がある——その情熱に、ちょっと胸が熱くなりました。
あの頃の深夜テレビのように
RTA Japanを観ていると、ふと幼少期の記憶がよみがえります。親に隠れて夜中にこっそり観ていた「24時間テレビ」。なんだか少し疚しいけれど、胸がわくわくするあの感覚。
今の私にとって、それがRTA Japanなんだろうなと感じています。
RTA Japanの魅力は、出演者の「ボランティア精神」にあるのだと思います。みんな純粋にリアルタイムアタックの成功を願い、見守り、応援し、喜び合う。その一体感がたまらなく心地いいんです。
私にとっては、もう 夏の風物詩 と言っても過言ではありません。それが終われば、私の夏も終わり。あとはまた、修理屋としての日常が戻ってきます。
さぁ、仕事するぞ。