
修理で一番困るのは「ネジの置き場所」
パソコン修理をやっていて、地味に、でも確実に困ることがあります。それが 外したネジの管理 です。普通のお皿にネジを入れてしまうと、
これが分からなくなることがあります。特にノートパソコンや一体型PCは、長さや種類が微妙に違うネジが混在していることも多く、適当に戻すとトラブルの元になります。
昔は「紙+マグネット」で対応していた
以前は、紙を切り取って簡単な図を書き、その下にマグネットを貼り付けてネジを固定する、という方法を使っていました。
これはこれで悪くはないのですが、
といった問題があり、「もう少し安定したものが欲しいな」と思っていました。
じゃあ作ってしまおう、という発想
ちょうどその頃、以前に ハムスターのトイレを3Dプリンターで作った ことを思い出しました。
最近は、
という環境が整っています。
「これなら、ネジ置き皿くらいなら簡単に作れるのでは?」
ということで、試しに作ってみることにしました。
こだわりはほぼ無し。でも「3mm」は重要
正直に言うと、このネジ置き皿に 特別なこだわりはありません。
ただ一つだけ重要なのが、穴のサイズを3mmにしたことです。
一般的なPC用ネジは、直径がだいたい3mm前後のものが多く、
という形になります。
これが何気に便利で、再びネジを戻すときに 指でつまみやすい んですね。
もちろん、
はお好みで調整できます。
実際の作り方(ざっくり)
流れとしてはとても簡単です。
- 無料のCADソフト(OpenSCAD)を使う
- 生成AIで作ったコードを貼り付ける
- 微調整する
- 3Dプリンター用の形式で保存
- そのまま印刷(私はA1 mini)
フィラメントもほとんど使わないので、コストも時間もかかりません。
参考用として、以下にコードを置いておきます。
※あくまで一例なので、環境に合わせて調整してください。
// パソコンネジ用フラットメッシュプレート
// 単位: mm
// --- 設定 ---
width = 105; // 幅
depth = 155; // 奥行き
thickness = 1.5; // 全体の厚み(強度のために1.5mm推奨)
hole_size = 3.0; // 穴のサイズ(PCネジが落ちない3mm)
rib = 1.5; // 桟(リブ)の太さ
// --- 本体の描画 ---
difference() {
// ベースとなる板
cube([width, depth, thickness]);
// 穴あけ加工
// 端から少し余白を持たせて穴を開け始めます
start_x = rib;
start_y = rib;
end_x = width - rib - hole_size;
end_y = depth - rib - hole_size;
for (x = [start_x : hole_size + rib : end_x]) {
for (y = [start_y : hole_size + rib : end_y]) {
translate([x, y, -1])
cube([hole_size, hole_size, thickness + 2]);
}
}
}仕上げは100円ショップの器+マグネット

今年はまとめて 5〜6枚ほど作成しました。
使い方はシンプルで、
- 100円ショップで売っているアクリルの器
- 底に少し強めのマグネットシートを敷く
- その上に3Dプリントした皿を載せる
これだけで完成です。
原価としては、だいたい 400〜500円程度でしょうか。
市販品は意外と見つからない
こういうネジ管理用のトレー、お店で探すと意外と ちょうどいいものが無い んですよね。
似たようなものはあっても、
- 高かったり
- 大きすぎたり
- 磁力が弱かったり
普通に買うと1000円以上することも珍しくありません。
もし気になった方は
3Dプリンターをお持ちであれば、今回の内容を参考にしてご自身の作業環境に合わせて微調整すれば簡単に作れると思います。
なお、当店では現在このネジ皿の販売はしていません。
「欲しいです」と言われることはあるのですが、今のところはあくまで自作ツールです。
……もしかしたら、そのうち売るかもしれませんけどね(笑)















