
9月15日の早朝、まだ頭も目も完全には起ききっていない時間に、店のチャイムが鳴りました。
「ピンポーン」と鳴ると、スマートフォンに通知が飛んできて、まるでビデオ通話のようにやり取りできる仕組みなのですが……時刻は朝の7時半。正直「え、今?」と焦ってしまいました。対応してみると、画面の向こうには海外の方。おそらく韓国か中国の方だと思うのですが、とてもきれいな日本語を話されていました。
ただ残念ながら、うちのIPカメラ付きインターホンの性能がそこまで高くなく、音声が途切れ途切れになってしまう。結果としてうまく意思疎通できず、その方は30分ほど外で待たれたあと、帰られてしまいました。申し訳ない気持ちと同時に複雑な思いが入り混じった朝でした。
張り紙の表記を見直すきっかけに
これまでも店舗の入り口には「ご案内」の張り紙を貼っていました。以前は私の携帯番号も載せていたのですが、防犯やプライバシーの観点から今はやめています。代わりに、LINEの公式アカウントをフォローしていただければ最新情報を確認できる仕組みにしました。
ただ、この張り紙、完全に日本語だけなんですよね。国内のお客様にとっては十分ですが、最近は海外の方からの来店も増えてきていて、月に10件以上は「外国からのお客様」というケースもあります。修理を希望されても、日本語の予約フォームや説明ページではハードルが高い。そうなると飛び込みで来店される方も当然増えます。
そこでようやく「日本語だけでは限界があるな」と思い知らされました。
SNSでの対応、正直むずかしい
もちろん、インスタのDMやX(旧Twitter)のDMで連絡いただければ便利なのですが、私ひとりで全部のSNSを見て対応するのはかなり厳しいのが現実です。「修理屋さんのSNS」って、飲食店やアパレルのように「また行きたい!」と思ってもらえるジャンルではないんですよね。一度修理して解決すれば、次は困ったときまで来店のきっかけがない。だからSNSも盛り上がりにくい。
結局、現実的にはLINEと電話、この2本柱が一番確実だと感じています。今回の件で「最低限ここだけは確保しておく」ことの大切さを改めて思いました。
張り紙を4か国語に変更
さっそく張り紙を、日本語・英語・韓国語・中国語の4か国語に対応させました。すべての言語に対応するのは不可能ですが、せめて主要な部分だけでも伝われば安心してもらえると思います。スマホの翻訳機能を使えば、さらに細かい内容は理解していただけますしね。

QRコードも併記してありますから、「ここから最新情報を見ればいいんだ」と直感的にわかるようにしました。これはちょっとした反省点でもあり、改善できたところです。
祝日の早朝来店に思うこと
それにしても、祝日の朝7時に訪ねてこられるというのは、よほど急を要する事情があったのだと思います。夜勤明けだったのか、あるいは予定の合間に寄ろうと思われたのかもしれません。
どんな背景にせよ、アポなしで来られたお客様にもなるべく対応できるような体制を取る必要がある――今回の出来事は、それを考え直すきっかけになりました。これからの商売は、日本人のお客様だけでなく、海外からのお客様に対しても視野を広げることが大切なんだな、と改めて感じた出来事です。
こうして振り返ると、朝のチャイムに慌てた自分が、結果的に張り紙を改善する背中を押されたわけです。ある意味で「ありがたいチャイム」だったのかもしれませんね。