
特定の誰かを指すものではありませんが、思い当たるふしのある方、それはあなたのことかもしれません。でも安心してください。最後まで読めばわかります。
年末の少し前、一件の連絡が入りました。
「ExcelとWordが使えなくなった」
よくある相談です。Office関連のトラブルは、ライセンスの期限切れ、アップデートの失敗、アカウント認証のズレなど、原因がいくつか考えられます。ただその時期はちょうど年末の繁忙期で、すぐに対応できる状況ではなかったため、「年明けに改めて」ということになりました。
年明け、再度連絡があり、後日パソコンを持ち込んでいただく段取りになりました。
Officeのインストールと設定作業、そのつもりで待っていました。
「初期化してしまいまして」
来店されたのは、社員の方でした。
パソコンを受け取って状態を確認してみると——なんというか、予想とだいぶ違う状況になっていました。
お話を聞くと、「パソコンを初期化してしまった」とのこと。
詳しい経緯は最後までわかりませんでしたが、確認した限りでは、OSそのものが削除されているか、それに近い状態になっていました。
Officeのインストール作業のはずが、OS再インストールから始まる案件になっていた、ということです。
心の中でそう思いながら、まあでも困っているんだから、と。
OS再インストールと初期設定は、今回は無償でやることにしました。
Officeのライセンス費用だけ実費でいただいて、簡易的な初期設定を行い、お返しした次第です。
ここまでは、まあよかった。
「Wi-Fiがまたつながらない」——そして始まる責任の遡及
しばらく経って、再び連絡がありました。
「Wi-Fiが使えなくなった」
Wi-Fiのトラブルは、それ自体は珍しくないです。ただ今回は、一度OSが削除されて再インストールされた環境で起きている問題です。納品時の状態そのままで起きているわけではない、というのは、経緯を知っている立場からすると重要な点でした。
② 社員の方が、何らかの理由でOSを削除・初期化した
③ 当店で無償でOS再インストール・初期設定を行った
④ その後、Wi-Fiトラブルが発生した
④の原因が①にあると断定できる状況ではない。
むしろ②③を経た環境で起きている問題として見るのが、事実として自然です。
それでも、こういった経緯が先方の社長様にどう伝わっているかは、正直わかりませんでした。
「ヤマダ電機で買えばよかった」「さじ加減で金額を決めてる」
その後、先方から届いた言葉が、これでした。
「お前がさじ加減で金額を決めてるんじゃないのか」
最初の発言については、まあ、気持ちはわかります。
中古を選んだことへの後悔、新品への羨望、それは自然な感情です。
でもこの経緯を踏まえると、中古パソコンの品質問題として話が進んでいるようで、そこは少し違う、と思いました。
↓
自分たちでOSを削除してしまった。
↓
修理屋が無償でOSを入れ直した。
↓
その後に起きたWi-Fiトラブルを「中古パソコンの品質問題」と言われる。
……これ、どこかおかしくないですか。
二つ目の「さじ加減で金額を決めている」という発言については、さすがにこれは、と思いました。
当店の料金は、作業内容と時間に応じて算出しています。
「さじ加減」という言葉は、根拠なく好き勝手に決めているという意味に受け取れます。
これまでの作業内容や、今回無償で対応した部分も含めての発言だとすると——正直、そこまで言われる理由がわかりませんでした。
おそらくですが、社員の方から社長様へ、経緯が正確に伝わっていないのかもしれません。
あるいは伝わったうえで、こういう形になっているのかもしれません。
どちらにしても、信頼関係という意味では、もう修復は難しいと感じました。
この話から学べること——修理屋として、お客様へ伝えたいこと
この件を通じて、改めて感じたことをそのまま書いておきます。
中古パソコンを買う時は、「不確定要素込み」で考えてほしい
中古は当たり外れがあります。それは事実です。
ただし、一度OSを削除・初期化した後の不具合は、「中古の品質問題」とは別の話になります。
環境が変わった時点で、納品時の状態とは切り離して考える必要があります。
「よくわからないけど触ってしまった」は、早めに教えてほしい
パソコンのことがわからないのは全然問題ないです。
「なんか触ったらおかしくなった」も、よくあることです。
ただ、その情報が修理屋に届かないと、原因の見当違いが起きます。今回のように。
「実は自分でいじってしまいました」を早めに言ってもらえると、その後がずっとスムーズになります。
担当者と決裁者が違う場合、情報の共有をていねいに
法人のお客様の場合、実際に持ち込む社員の方と、最終的に判断する社長の方が違うことがよくあります。
この時、修理屋と話した内容が正確に社長へ伝わっていないと、後から「聞いてない」「そんな話じゃなかった」という行き違いが生まれます。
できれば、見積もりや作業内容は書面やメールで共有しておくと、お互いにとって安心です。ピシコでも対応しています。
それでも、こういうお客様を大事にしたい
長々と書いてきましたが、結局のところ——
困っていたのは本当のことだと思います。
ExcelもWordも使えない、Wi-Fiもつながらない、業務が止まっている。
それは本当に困っていたはずです。
余裕がない時、人は正確に状況を伝えられなくなります。
焦っている時、怒りが一番近くにいる専門家に向かうことがあります。
それは——わかるんです。わかるんですよ。
だからこそ、「困っている」をそのまま持ってきてほしいと思っています。
「自分でいじってしまってよくわからなくなった」でも、「何をしたかよく覚えていない」でも、全然かまわない。それを一緒に解きほぐすのが、修理屋の仕事です。
怒りながら来るより、困りながら来てもらった方が、絶対早く解決できます。
修理屋は敵じゃないので。
📌 中古購入前に「これ買っていいですか」の相談、無料で受けます
📌 「触ったらおかしくなった」は早めに正直に教えてください。そこから一緒に考えます
📌 法人のお客様:作業内容・費用は書面・メールで共有します。お気軽にどうぞ
📌 「まず話だけ聞いてほしい」は無料です。怒りながらでも来ていいです(やさしく来てほしいけど)
でも、伝わっていない経緯は直せない。
だから最初から、ちゃんと話してほしいんです。
困ったことを持ち込んでくれるお客様を、
ピシコはずっと大事にしたいと思っています。














