今回のご依頼は「PS3でディスクが読み取れなくなった」とのご相談を頂きまして、PS3の修理はチップのリフロー以来で、久しぶりにゲーム機の部品交換依頼にドキドキ。
交換する箇所は光学レンズとなりますが、ユニットごと交換しないと認識しないとの情報を確認しましたので光学ユニット一式を交換する事にしました。
因みに、国内では新品での在庫はありませんでしたので、海外から発注を行い待つこと2週間でようやく到着。
早速「PS3光学ドライブ交換」と検索してみると沢山の情報がありましたので、これらを参考に開墾をしてみましたが非常に簡単。
ここでようやく光学ドライブがお見えしまして、接続されているケーブルとネジを全て外し内部を見てみる事に。
気になるポイントとしては光学レンズユニットの交換を行う場合は背面の基板を取り外さないとフレキシブルケーブルが取り出せませんので写真撮影は必須。
これでやっとユニットの交換が行え、ここまでは難なく完了。
開墾10分、ギア調整1時間
ここで問題が発生、光学ドライブのレンズユニットの交換が完了するものの、内部を開墾したことでディスクを出し入れする際に稼働するギアが正常に動きません。どうしたものか・・・と嘆きつつも調整の繰り返し。
解決のヒントとなったのは取り外す際のギアの位置。これを忠実に再現すれば元通りになるのですがこの確認を怠っていた事が失敗の要因でした。
以下のように開墾を行う前の写真は必ず撮影することを強くオススメします。
そんなこんなで試行錯誤を繰り返し、7回目でディスクが正常に動き出しました。いやぁ・・・もう心が折れそうでしたがやり遂げました。
光学レンズ交換は技術よりも根気
最後にまとめとして、これから自身で交換を行おうかと考えておられる方、または交換しても正常に動作しない方へのアドバイスを以下にまとめておこうかと思いますのでご参考の足しにして下さい。
- 交換後にディスクが読み取れないのはギアの調整ミス
- 交換後にディスクが吸い取られないのはギアの調整ミス
- 交換後にディスクが取り出せないのはギアの調整ミス
- 開墾前の形状を完璧に記録する事
- ディスクが挿入状態となっている時はギアを全て初期位置に戻す
- 正常動作を確認するまでカバーを戻さない事
- キズが付いても良いPS3用ゲームディスクを用意する事
- 一度の調整で成功するのは希だと思い、諦めずに何度も調整する事
こんなものでしょうかね、今後もPS3のレンズ交換のご依頼は承りますが、費用はちょっとだけ高めに設定させてください、非常にお時間を要する修理だと実感しましたので。
因みに部品の型番は「KEM-400AAA」でした