ある日、高齢の男性お客様が動作が遅くなったパソコンを持ち込んだお話です。そのパソコン、彼にとってかけがえのないもので、インターネットは繋げずに日々刻々とWordで文章だけを打ち続けた日記の代わりになるような存在だそうです。
世間ではWindows11、ですがお客様のパソコンは4世代前のWindows7となっており、これをアップグレードするのは困難と判断しましたが、この現状のままお使いになられたいとの願いもあってSSDを換装する事、Windowsは現状のままで、そしてWordとなるOfficeも2010でセットアップをする流れで決行しました。
この段階で察して頂ければと思うのですが、この既存の環境を再現させる為のクリーンインストール作業はかなりの手間隙がかかります。・・・が、環境を構築するごとにどんどん楽しくなってしまいまして、結果として完全に再現させてしまいました。
個人的に満足した私、お客様にお喜びになって頂きたい一心でご連絡を行うのですが、電話先のお相手は「どちら様ですか?」との返答。はて?・・・もしかするとお客様が申込用紙に記載された電話番号が間違っている?という事で察したのです。
・・・これは大変、連絡する術が無い。実はこちらのお客様は何故かお名前も名字だけ記載し、住所は記載しておらず。そうなると、お客様からご連絡を頂くまで保管する他術が無い状況となったまま2ヶ月が過ぎても、お客様からの連絡はありませんでした。
そんな日々を過ごしていると先日、お客様のご家族からご連絡を頂き「両親から聞きまして、タウンページで調べて何件かを頼りに電話をかけてみましたが、そちらだったのですね!!」との事で、幸運なことに後日店に訪れたのです。どうやら店の場所も連絡先も思い出すことに自信がなくなってしまったとのことで、ようやく私の店を見つけ出したそうです。
お客様とパソコンが再び出会うまでの物語。なんて、ちょっと大げさかもしれませんが日々連れ添っていたパソコンがお客様を呼び寄せたんじゃないかなぁ、と思いましたね。モノに魂が宿ると言いますからね。
うんうん、タウンページに掲載しておいて良かったなぁ・・・