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Googleに祝われて泣きそうになった48歳の誕生日

先日、私はめでたく48歳になりました。

何がめでたいって?」と、かつて小説の一節で目にした言葉を、今の自分は少しわかる気がします。もちろん、家族に祝ってもらえるのはありがたいことですし、晩ご飯をリクエスト通りにしてもらったり、ケーキを囲んだり、それはそれで十分に幸せです。けれども、昔のように「お誕生日おめでとう」と誰かからメールや電話が来ることはほとんどなくなりました。

年齢を重ねると、自分の誕生日を知っている人は減っていくんですね。妻や親族を除けば、もう会うこともできない人、あるいは会いたくても会えない人たちばかり。SNSでも誕生日は非表示にしているので、表向きは誰にも知られない一日です。

誕生日に届くメッセージの現実

とはいえ、まったく音沙汰がないわけではありません。メールボックスを開けば「お誕生日おめでとうございます!」と表示される通知がちらほら。…でも、その送り主は「山田養蜂場」や「ファミリーレストラン」、さらには「任天堂」だったりします。

中でも驚いたのは、契約している生命保険会社から届いたメール。「お誕生日おめでとうございます。今年は“がんの正しい知識”を…」――いやいや、誕生日に“がん”の話題をぶつけてくるなんて、ある意味でパンチの効いたプレゼントです。読んだ瞬間、思わずため息が出てしまい、そのまま出社しました。

誰にも言わない誕生日

この日は出張サポートが2件。

お客様の前で「実は今日、私の誕生日なんです」なんて言う必要もなく、いつも通りの仕事を淡々とこなしました。お祝いムードもない代わりに、気が散ることもなく集中できたのは良かったのかもしれません。

でも夕方、店舗に戻ってメールをチェックすると、誕生日特典やゲームコンテンツのセールの案内が山ほど届いていました。正直、「誕生日だからなのか、ただのセールだからなのか」区別がつかない。なんとも味気ない一日だな、と思った瞬間でした。

不意打ちの「おめでとう」

そんな中、ふとWebブラウザを開き、Googleにログインすると…。いきなり画面いっぱいに紙吹雪と風船が舞い上がり、「お誕生日おめでとうございます」と。

その瞬間、思わず涙ぐんでしまったんです。いや、笑ってください。たかがGoogleですよ。人間じゃない。アルゴリズムが私の誕生日をデータとして把握して、演出しているだけ。冷静に考えればそうなんです。

この話を、家に帰って妻に笑いながら話そうと思っています。「俺さ、Googleに祝われて泣きそうになったんだよ」って。きっと大笑いされるでしょう。でも、その笑いの中に、ちゃんと「共有できる温かさ」があるのが嬉しいんですよね。

SNSに誕生日を登録していない私が、ふとしたきっかけでGoogleに祝われて涙ぐむ。――なんて情けなくも、ちょっと人間らしい一日でした。

もしこの記事を読んでくださっているあなたが「最近、誕生日はただの日になっている」と感じているなら。もしかしたら、ちょっとしたサプライズが、あなたの心を救ってくれるかもしれません。

誕生日を覚えてくれている人が少なくなっても、誰かに祝ってもらえることは、やっぱり嬉しいものですよね。そして、年を重ねた今だからこそ、その一言の温かさに涙がこぼれるのかもしれません。