
ここ最近、本当に驚くほどお問い合わせが増えています。
「メモリって今いくらなんですか?」
「前は8,000円くらいじゃなかったでした?」
そう聞かれて、私も思わず苦笑いしてしまうのですが……いえ、笑ってる場合じゃないんですよ。実際、ついこの前まで8,000円だったメモリが2万円。一部のモデルでは、2万円→16万円へと跳ね上がっているものすらあります。
これ、さすがに“尋常じゃない”ですよね。
そして皆さんが気になっているのは、やっぱり「なぜこんなに上がったのか?」という理由。ここにはAIブームと、半導体市場全体の需要爆発という、ちょっとした「世界情勢レベルの事情」が絡んでいます。
当店でもメモリのお問い合わせが急増しており、修理用として確保しているストックを「売ってほしい」というご相談が後を絶ちません。ですが、ここは大切なところで、修理のために最低限必要な部材という位置づけにしているため、販売は行っていないのが実情です。
「なんで販売しないんですか?」と聞かれることもありますが、修理現場の生命線なので、何卒ご理解いただければ幸いです。
2026年下半期まで上昇? “下がる気配がない”と言われる理由
メモリ価格の高騰は、一部では2026年の下半期まで続くとも言われています。もちろんこれは推測の域を出ません。明日の価格だって誰も言い切れないのが、この業界の怖いところです。
ただ、世界中でAI向けの高速メモリ(特にHBM)が奪い合いになっており、その余波が一般向けのDDR5にも波及しているのは確か。これだけ供給がひっ迫すれば、価格が上がるのは“仕方がない話”なんですよね。
BTOを考えている人へ 、今は「工夫して耐える時期」
今BTOを組むとなると、以前なら15〜16万円で作れた構成が、20万円前後になってしまう感覚です。これはもう、私たちのミスとか努力不足とかではなく、市場全体の波。“高いときに無理して買う必要はない”というのが、正直なところです。
中古メモリを探すのは賢い選択
BTOを検討されているなら、
・中古メモリを探す
・お持ち込みパーツで構築する
という工夫が現実的になってきたと思います。
もちろん当店でもBTO製作は行っていますが、新品パーツの価格高騰が直撃している以上、「以前の値段感で買える」とは言えないのが心苦しいところです。
中古パソコン市場も動く ― 気づけば高値、気づけば品薄
今後の流れとして、以下の傾向がより強まると感じています。
中古ノートパソコンは“お買い得”
不思議ですが、デスクトップよりもノートPCの方が値上がりの影響を受けにくく、今はむしろ狙い目だと思います。特にライトユーザーなら、中古ノートでも十分戦えます。
デスクトップは価格が大きく動く
デスクトップはメモリ・SSDの影響をモロに食らうため、市場価格で大きく上下します。
今後、状況によってはさらに高騰する可能性もありますし、急に下がるという期待は、正直あまり持たない方が良いかもしれません。
修理の重要性が増す時代へ ― 「いまある環境を大切に使う」
こんな状況だからこそ、これからの中心は“修理”になっていくのでは、と私は感じています。
・無理に買い換えない
・直せるものは直す
・増設パーツは賢く選ぶ
これが、当面もっとも堅実な選択肢になるはずです。もちろん、市場が落ち着けば買いやすくなる時期も戻ってきます。ですが今は、「一番良いのは、いま使っているPCを活かしきること」これに尽きると思います。
修理屋から見える“これからの一年”
修理現場に立っていると、部品価格の波がそのままお客様の選択肢に影響する現実を日々実感します。ただ、不安に感じすぎる必要はありません。
・ノートPCはまだ安く買える
・中古パーツもうまく使えば十分
・修理で延命できるケースは多い
・(重要)無理して買う必要はどこにもない
こんな時代だからこそ、「必要なときに必要なものだけ」を冷静に選ぶ目が、とても大事になってきます。私も現場の人間として、いまある環境を最大限に活かす“最適解”を今後も追い続けていきますので、なにか心配なことがあれば、いつでもお声がけください。















