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10年運営したホームページが突然崩壊した話

10年運営したホームページが突然崩壊した話

もうすぐ10年目を迎える、とあるホームページが、ある日突然、丸ごと崩壊してしまったという出来事がありました。今回は、その原因と、そこから改めて考えさせられた「ウェブページの価値」について、少し長くなりますが書いてみようと思います。

10年前にご依頼を頂いたHP制作

当店はもうすぐ16年目となり、気がつけば15年以上この仕事を続けさせていただいています。そんな中、今から10年以上前にパソコンの設定でお付き合いをさせていただいたお客様から、「ホームページを作ってもらえないか」というご相談を受けました。奥様が音楽教室、いわゆるピアノ教室を始められるというお話で、当時としてはまだホームページを持つこと自体が今ほど一般的ではなかった時代です。

当時はWordPressも今ほど普及しておらず、ホームページ制作といえばHTMLベースの制作ソフトを使うのが主流でした。私が環境構築を担当し、妻がイラストを描くという形で、ほぼすべてを手作業で作り上げたページでした。今思えば非常に手間のかかる方法ですが、その分、思い入れのあるホームページでもありました。

それから5〜6年ほどが経過し、時代は一気にスマートフォン中心へと変わっていきます。パソコンで見ることを前提としたホームページでは、どうしても使いづらさが目立つようになり、そこでお客様にお願いをして、WordPressへの移行を行うことになりました。いわばテストケースとしての導入でしたが、実際にはほぼ手作業での移行となり、決して簡単な作業ではありませんでした。それでも、スマートフォンでも見やすいページが完成し、その後は大きなトラブルもなく、長年にわたって運用が続いていました。

ところが、さらに5年ほど経った現在、お客様から一本のLINEが届きます。「お問い合わせフォームからメールが送れないみたいなんです」という内容でした。調べてみると、原因は決して珍しいものではなく、各種仕様や制約が長年アップデートされないまま放置されていたことでした。そこで、必要なアップデートをまとめて行うことにしたのですが、ここで想定外の事態が起こります。更新をかけた直後、画面には「重大なエラーが発生しました。このサイトは表示できません」という表示が出て、ホームページそのものが完全に表示されなくなってしまったのです。

WordPressがまさかのクラッシュ

正直なところ、その瞬間はかなり青ざめました。原因がすぐに分かればまだ良かったのですが、最初は何が悪いのか見当もつかない状態でした。最近はAIの力も借りながら、一つひとつ切り分けを行っていくことができますので、まずはプラグインが原因ではないかと疑いました。しかし調べていくうちに、プラグインではないということが分かり、最終的にたどり着いた原因は「テーマ」でした。

テーマ自体が単に古いというだけではなく、すでに開発が終了しており、最新のPHP環境に対応していなかったのです。その結果、WordPressやサーバー側を最新の状態にしただけで、テーマが完全に動作しなくなり、ページが崩壊するという事態が起きていました。つまり、何か特別な操作をしたわけではなく、普通にアップデートを行っただけで表示不能になってしまった、ということです。

この状況では部分的な修正では対応できず、結果として私は直接ソースコードや内部ファイルを確認し、古いテーマを完全に排除し、新しいテーマを導入したうえで、ゼロベースからホームページを再構築するという判断をしました。いずれは対応しなければならないと頭では分かっていたものの、「まさか今、このタイミングで」というのが正直な感想でした。

今回の件で改めて感じたのは、時代の変化の速さです。古いテーマや古い仕組みを抱えたまま運用を続けていると、WordPress本体やサーバー環境のアップデートをきっかけに、一気に問題が表面化します。新規でホームページを作った方であれば、おそらく一生経験することのないトラブルかもしれませんが、10年という長い年月を運営してきたからこそ起きた出来事でもありました。

こうした経緯もあり、今回の対応については無償で行うことにしました。10年間運営を続けていただいたことへの感謝もありますし、何よりこのピアノ教室のお客様が、これまで非常に柔軟で協力的に関わってくださり、私たちが試したいことやチャレンジしたいことにも前向きに付き合ってくださったからです。

Webページの価値そして現在

少し昔話になりますが、当店がまだ全く儲からなかった頃、あるホビーショップのホームページ制作を請け負ったことがあります。デザインから環境構築、サーバーへのアップロードまで、すべてを含めて6万円という価格でした。当時は必死で、その金額がどれほど無理のあるものかを冷静に考える余裕もありませんでした。結果として、その価格が基準となり、メンテナンスも無償でやってほしいという流れになり、経営として成り立たなくなってしまいました。最終的にはお詫びをして契約を終了し、お客様は離れていきました。

今の時代、ホームページ制作代行は本当に数え切れないほど存在し、月額1万円や1万5千円といったサブスクリプション型のサービスも一般的になっています。一方で、このピアノ教室については、年間6,000円前後という、ほぼサーバー維持費程度の金額で10年間対応してきました。細かく計算すれば決して割に合うものではありませんが、それでも私はこれでいいと思っています。最初にご依頼いただいたお客様との約束や関係性を、簡単に変えたくはなかったからです。

今は無料ブログやSNSだけで店舗運営をされている方も多く、インスタグラムだけで集客をしているケースも珍しくありません。それ自体を否定するつもりはありませんが、一つだけ確実に言えるのは、サービスが終了したときにどうするのか、という問題です。自分でドメインを取得し、レンタルサーバーで運用していない限り、それはあくまで「借りている場所」であり、自分の資産ではありません。

これは、持ち家と賃貸の話と非常によく似ています。賃貸は楽で、メンテナンスも不要ですが、突然退去を求められる可能性があります。一方で持ち家は費用も手間もかかりますが、自由に手を加えることができます。どちらを選ぶかは人それぞれで、正解はありません。ただ、そこには必ずリスクと価値の違いが存在します。

ウェブページも同じです。お金をかける価値がないと感じる方もいれば、大切な資産だと考える方もいます。最近流行している、いわゆるぷっくりしたシールに1〜2時間並ぶ人がいる一方で、そこに価値を感じない人がいるのと全く同じです。

今回の件では、16時にお客様からLINEをいただき、すべての問題を解決し、ホームページを最新版の状態に戻したのが19時頃でした。3時間というと長く感じるかもしれませんが、原因不明の全崩壊状態から、ゼロベースで再構築するまでを考えれば、非常に短い時間だったと思います。これは間違いなく、AIという存在があったからこそ可能だった対応です。

便利な時代になり、できることは確実に増えました。その分、自分自身のスキルや考え方もアップデートされていきます。今回のピアノ教室のお客様とは、これからもどこまで一緒にできるのか、どこまでチャレンジできるのかを楽しみながら、良い関係を続けていきたいと思っています。今回の出来事は、そんなことを改めて考えさせてくれた、少し苦くて、でも感慨深い経験でした。

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ピシコ
北海道苫小牧市でパソコンとiPhone修理業を営んでいます
三度の飯よりも修理好きでゲームとプラモが趣味
19匹多頭飼いするほどのハムスター好き
最近は筋トレでの減量にハマってます(←NEW)