と、思って調べてたら、あらら・・・という感じ。
自作ユーザーにとって、冷却パーツはPCの安定動作に欠かせない重要な要素。中でも、高い冷却性能と手頃な価格で人気を博していたのが、中国のPCパーツメーカーDeepCoolの製品群でした。しかし、2024年半ば、突如として国内市場からDeepCool製品が姿を消しました。多くの自作ユーザーが困惑する中、その背景には、国際的な政治経済状況が深く関わっていたのです。
DeepCoolは、CPUクーラー、ケースファン、PCケースなど、幅広い冷却ソリューションを提供するメーカーとして知られていました。特に、高い冷却性能と静音性を両立させたCPUクーラー「AK400」シリーズや、ARGB対応の鮮やかなLEDイルミネーションを備えたケースファンは、多くの自作ユーザーから支持を集めていました。しかし、2024年6月頃から、AmazonをはじめとするECサイトや、パソコンショップからDeepCool製品が次々と姿を消し始めたのです。
その原因は、DeepCoolが中国人民解放軍との関係が疑われる企業として、米国の「軍事最終使用者(Military End User)」リストに追加されたことにあるとされています。このリストは、米国が安全保障上の脅威と見なす企業を列挙したもので、リストに掲載された企業との取引は厳しく制限されます。DeepCool製品を国内で販売していた株式会社アスクや株式会社aiutoは、このリストへの追加を受け、コンプライアンス上の問題からDeepCool製品の取り扱いを停止せざるを得なくなったのです。
この決定は、日本の自作ユーザーに大きな影響を与えました。DeepCool製品は、高性能かつ手頃な価格帯で人気が高く、多くの自作PCに採用されていました。突然の流通停止により、新規にDeepCool製品を購入することが困難になっただけでなく、既存ユーザーもサポートや修理の面で不安を抱えることとなりました。
一部の販売店では、在庫限りでDeepCool製品の販売を継続しているものの、今後の新規入荷は期待できない状況です。また、サポート体制についても、販売代理店によって対応が異なり、保証期間内であっても修理が受けられないケースも出てきています。
DeepCool製品の流通停止は、米中間の貿易摩擦が激化する中で、中国企業が直面する厳しい現実を浮き彫りにしたと言えるでしょう。DeepCoolは、軍事最終使用者リストからの削除を求めて米国政府に働きかけているとされていますが、現状では先行きは不透明。
この状況下で、自作ユーザーはDeepCool製品の代替品を探す必要に迫られています。幸いなことに、Noctua、Thermaltake、Corsairなど、DeepCoolに匹敵する冷却性能を持つメーカーは数多く存在します。価格やデザイン、機能などを比較検討し、自身のニーズに合った製品を選ぶことが重要となります。
今回のDeepCool製品の流通停止は、PCパーツ市場におけるグローバルなサプライチェーンの脆弱性を改めて示すこととなりました。国際情勢の変化が、国内の自作ユーザーにまで影響を及ぼす可能性があることを認識し、情報収集を継続していく必要性が高まっていると言えるでしょう。
DeepCool製品の復活を願う声は多いです。しかし、現状では、DeepCool社、販売代理店、そして米国の動向を注視していくしかありません。この問題が一日も早く解決し、再び国内市場でDeepCool製品が手に入るようになることを期待したいです。
最近DeepCool製品が販売されなくなったな・・・