これを不具合と考え良いものなのか、経年劣化と考えるべきなのか、単なるハードウェアの故障なのか、切り分けるにも判断がつきにくい現象がBTOパソコンにはあります。
15分程度で電源が落ちるBTOパソコン
今回はお客様が4年前に購入されたドスパラのGALLERIAシリーズで、Ryzen7 3700Xを搭載したASrock B550 TWマザーボードという構成なのだが、電源を入れて15分程度動かしていると電源が落ちてしまう現象が発生した。
調査してみると電源ユニットは問題はなく、これは検査用の電源ユニットで試してみても同様の現象が起きたからだ。因みに落ちた時はBIOS画面でCPU温度は46℃、基板の温度は32℃の時に落ちた。
BIOSの更新で改善?
ここまでの段階でマザーボード基板を疑ったのが、BIOSの更新を行った所電源が落ちる現象が改善された。そこでここまでの要因を考えてみた。
また、更新された最新版のBIOSでは「fTPM ( Firmware TPM ) を有効にすると、スタッタリング ( 映像や音の途切れ、カクつき ) がランダムに発生する」を修正したとの事だが、今回の問題と関連を考えてみた。
fTPM(Firmware TPM)とは: TPM(Trusted Platform Module)は、セキュリティ機能を提供するためのハードウェアモジュールですが、fTPMはその機能をファームウェア(BIOS)内で実行するものです。
このfTPMが原因でスタッタリングが発生するということは、fTPM機能が正しく動作していないか、もしくは他のハードウェアやソフトウェアと干渉していた以下の可能性が考えられる。
結論として、fTPMの不具合がシステムの安定性に悪影響を与え、それが電源が落ちる問題と関連していた可能性は十分に考えられる。その後BIOSの更新を行った所でfTPMの問題が修正されたことで「システム全体の安定性が向上」、「電源が落ちる問題も同時に解消された」と考えるのが合理的と推測。
因みに更新を行ったBIOSは「ASRock B550 TW 搭載 サードウェーブ製 PC 用 fTPM 問題修正 AGESA Combo V2 PI 1.2.0.7 UEFI BIOS ダウンロード」からGALLERIAという箇所をダウンロードしたものを使用した。
ここまでお読みになられて、時系列での内容を踏まえた推測に過ぎない備忘録だと思われたかもしれない。その理由は通常ではマザーボードの交換を行わなければ改善されない内容と結論付ける出来事がBIOSの更新で安定した事にあるからだ。
今後も不具合等があれば追って追記を行うが、更新がなければ本件の問題はfTPMの不具合を修正した事で改善されたと考えても良いかもしれない。