
毎年この時期になると、修理の相談と同じくらい増えるのが「年賀状、そろそろどうしよう問題」です。
……だいたい、皆さんバタバタしはじめるのが12月下旬なんですよね。ちなみにそのバタバタに巻き込まれて、結局自分の年賀状が一番後回しになるのが僕です。
そんな僕が、2025年秋時点での「2026年版 年賀状ソフト」を、自分の実体験とお客さんの相談をベースに かなり真面目に 眺めてみました。
結論からざっくり言うと:
- 迷ったら:筆まめ Ver.36
- コスパ+写真重視:筆王 Ver.30
- 初心者・シニアには:筆ぐるめ 33 2026年版
- Macユーザーは:宛名職人 一択
ここから、もう少し人間くさい目線で掘っていきますね。
いまの最新版を整理してみる(2026年用)
Windows向けは、この3本が「定番」
まず、Windowsパソコンで使う年賀状ソフトの最新版は、ざっくりこの3つです。
- 筆まめ Ver.36
- 筆王 Ver.30
- 筆ぐるめ 33 2026年版
どれも共通しているのは、
といった“年賀状ソフトとして当たり前に欲しいところ”はちゃんと押さえている、ということ。なので正直、
「どれを買っても“年賀状が出せない”なんてことにはならない」
のは事実です。
問題は、
このバランスなんですよね。
1. 筆まめ Ver.36:素材と機能で“王道のフラッグシップ”
僕の印象:「ガチでやりたい人の本命ソフト」
まずは王様ポジションの筆まめ。
正直、「ここまでできる年賀状ソフトって必要?」 と思うくらい、機能がモリモリです。
仕事柄、僕もお客様用の挨拶ハガキを作ることがあるのですが、会社名や役職、敬称の細かいルールをきっちり守りたい場面では、筆まめの住所録と宛名レイアウトは本当に頼りになります。
「この人だけ“様”じゃなくて“御中”にしたい」とか「この会社は部署名を一行追加したい」とか、そういう“日本語のややこしさ”にちゃんと付き合ってくれるソフトです。
ちょっとお高いけれど、その分“安心料”が入ってる
価格帯はざっくりこんな感じ(2025年末時点の相場ベースでの肌感です):
- 通常版(初めての人向け):だいたい 6,000〜6,500円前後
- アップグレード・乗換版(優待版):3,500〜4,000円くらい
- ムック本付録CD(お試し版に近い):書店の雑誌付録で 500円前後
正直、「ちょっと高いな…」という顔をされるお客様もいます。でも、年賀状を毎年しっかり出す人にとっては、この差は「保険料」にも近い感覚です。
こういう人には、「最初から筆まめで腰を据えておく」のはかなりアリです。
僕の体験談:昔の住所録を“救出”してくれた救世主
ある年末、お客様からこんな相談がありました。
そのとき、データを吸い出して、最終的に 筆まめの住所録にインポートして救出 できたんです。
正直、あの時は僕も心の中でガッツポーズでした。
昔のはがきソフトって、もうメーカーサポートも終わっていたりして、専用形式のデータを開けるソフトが残ってないことが多いんですよね。
そういう意味でも、
「住所録を長く守りたいなら、筆まめを軸にしておく」
というのは、PC屋としての実感としても、かなりおすすめしておきたいポイントです。
2. 筆王 Ver.30:コスパと写真編集のバランス型
僕の印象:「写真入り年賀状なら、かなり頼れる相棒」
次は筆王。これは一言でいうと、
「財布に優しいのに、写真周りがやたら強い子」
です。
お子さんやお孫さん、ペットの写真をメインにした年賀状を作るご家庭だと、筆王の「写真いじりのしやすさ」はかなり気持ちいいはずです。
「Photoshopなんていじったことないよ」という人でも、ソフト内の機能だけで“それっぽい写真年賀状”に仕上げられます。
価格はかなり攻めている
ざっくり価格感はこんな感じです:
- 通常版(ダウンロード・パッケージ共通):4,000円弱
- お店によっては 3,500円前後 まで下がることも
- **自動継続版(サブスク)**だと、初年度は2,000円台、
2年目以降は 1,000円台前半 というかなり攻めた料金設定
数字を見てて思ったのは、
「あ、これは“長く使ってもらう前提の値付けだな…」ということ。
特に自動継続版は、5年くらいのスパンで見ると、ランニングコストが圧倒的に安いです。
僕の実感:忙しいファミリー世帯にちょうどいい
小さいお子さんがいるご家庭からの相談で多いのが、
こういうとき、筆王のスマホ連携と写真補正機能はかなり頼りになります。
QRコードを読み込むだけで写真を持ってこられたり、「なぞるだけで消す」みたいな簡単な補正機能があるので、
「パソコンは苦手だけど、スマホの写真はいっぱいある」
という現代の典型的なパターンには、すごくフィットしているなと感じます。「凝りたいわけじゃないんだけど、そこそこ見栄え良くしたいし、お金も抑えたい」そんな方へのおすすめは、かなりの確信を持って「筆王」です。
3. 筆ぐるめ 33 2026年版:初心者・シニアに寄り添うやさしさ
僕の印象:「“説明書を読みたくない人”の味方」
筆ぐるめは、昔からNECや富士通のPCにプリインストールされていたこともあって、
お客様の口からもよく名前が出てくるソフトです。コンセプトは、
「たのしく・かんたん・きれい」
で、実際に画面を見ても、
- ボタンが大きい
- 文字が見やすい
- 「おもて(宛名)」「うら(文面)」がタブで分かりやすい
と、とにかく迷わせない作りになっています。正直に言うと、「機能の多さ」では筆まめや筆王に一歩ゆずります。素材点数も、他の2本より少なめです。
でも、
こういう方にとっては、“少し機能が少ないくらいが安心” だったりするんですよね。
俳句・季語・動画QR…“文化系お楽しみ機能”も魅力
筆ぐるめの面白いところは、単に「かんたん」なだけじゃなくて、ちょっと文化的な楽しみが混ざっているところです。
など、「ちょっと趣味性のある楽しみ方」が用意されています。
シニア世代の方で、

「俳句や短歌が好き」
「絵手紙みたいなことをやってみたい」
という方には、単なるツールを超えた “遊び道具” になり得ます。
価格帯と“どれを選ぶか”
筆ぐるめは、バリエーションが少しややこしいのですが、ざっくり言うと:
- 通常版(PC複数台OK・素材フル):5,000円前後
- 特別キャンペーン版(PC1台・機能絞りめ):3,000円台前半
- 年賀状版(その年の干支など、年賀状に特化)
- さらに、法人向けライセンスも別枠で存在
「とりあえず年賀状1種類が作れれば十分」という場合は、特別キャンペーン版か年賀状版でじゅうぶんです。逆に、「家族で何台かのPCに入れたい」「他のハガキにも使うかも」という場合は、通常版がおすすめ。
4. Macユーザーの宿命と希望:宛名職人
「選択肢は少ないけど、その分話は早い」
Windowsと違って、Macユーザーに関しては話がシンプルです。
年賀状ソフトがほしい → ほぼ「宛名職人」一択
という世界。値段はWindows勢よりやや高めですが、
と、「道具としての気持ちよさ」 がちゃんとあるソフトです。
Macユーザーで、「どうしてもWindows用の年賀状ソフトを無理やり動かしたい」という相談もたまにありますが、正直、そこに手間をかけるくらいなら 素直に宛名職人を買った方が精神衛生に良い、というのが個人的な結論です。
5. 結局どれを選べばいい? ペルソナ別のおすすめ
ここまで話してきた内容を、実際の「人」に落とし込んでみます。
シナリオA:ビジネス・伝統重視のあなたへ
→ おすすめ:筆まめ Ver.36(通常版 or 優待版 or 自動継続版)
このあたりを考えると、筆まめが一番「仕事道具」として頼りになります。
シナリオB:ファミリー・コスパ重視のあなたへ
→ おすすめ:筆王 Ver.30(特に自動継続版)
忙しい子育て世帯には、「短時間でそれなりにいい感じに仕上がる」ことが何より大事だったりします。
シナリオC:PC初心者・シニア・文化系趣味のあなたへ
→ おすすめ:筆ぐるめ 33
ご家族が一緒に使い方を教えやすい、というのも地味に大きなポイントです。
シナリオD:Macを愛してやまないあなたへ
→ おすすめ:宛名職人
もうこれは「そういう世界」だと思って、素直に受け入れた方が幸せになれます。
6. 優待版・乗り換え版を甘く見るな
これは声を大にして言いたいのですが、
「昔どれか年賀状ソフトを買ったことがある人」は、まず優待版・乗り換え版がないかチェックすべき
です。
- 筆まめのアップグレード・乗換版
- 筆王のバージョンアップや自動継続版プラン
このあたりをうまく使えば、通常版の半額近い値段で買えるケースも多いので、新規で買う前に、引き出しの奥から昔のパッケージを掘り起こしてみる価値はあります。
……とはいえ、引き出しの奥から昔のCD-ROMが出てきて、「このPC、もう光学ドライブ付いてないじゃん」と絶望するパターンも、ここ数年でかなり増えましたが……(だいたい僕もそうです)。
7. 買うタイミングと「自動継続版」という選択肢
ブラックフライデーや年末セールをチラ見する
ソフトの価格は、正直ちょこちょこ動きます。
- 11月下旬〜12月頭のセール
- ブラックフライデー
- 公式サイトのクーポン
このあたりをうまく使うと、体感的に一ランク上のソフトが手に届く価格になることも多いです。「絶対に今すぐ必要!」でなければ、11月中旬くらいまではじっくり情報を集めて、セールの波を待つのも戦略としてアリだと思います。
「自動継続版」をどう見るか
もうひとつ、最近の年賀状ソフト選びで外せないのが 自動継続版(サブスク)。
メリットとしては:
一方で、
というポイントもあります。
個人的には、
- 毎年ちゃんと年賀状を出す人 → 自動継続版はかなり合理的
- 出すかどうか年によってブレる人 → はじめはパッケージ版 or 通常DL版もアリ
こんなイメージで捉えてもらうと分かりやすいかなと思います。
8. 最後に:年賀状ソフトは「めんどくささ」を引き受けてくれる相棒
正直、僕自身も昔は、
「もう全部LINEでいいんじゃないの?」
と思っていた時期がありました。でも、お客様のところにお邪魔すると、10年前、15年前の年賀状が大事にアルバムに挟まれていたりするんですよね。
そこには、
そんな「その年にしか撮れない瞬間」が、ちゃんと紙で残っている。
「あぁ、だからまだ年賀状はなくならないんだろうな」
と、PC屋としてではなく、単純に一人の人間として思います。年賀状ソフトは、その「めんどくさいけど、残しておきたいこと」をなるべくラクに形にするための相棒です。
この年末、
こんな感じで、自分のスタイルに合う一本を選んでみてください。
もし「うちの家族構成だとどれがいい?」とか「事業用と家庭用を分けたいんだけど…」みたいな具体的な状況があれば、そこに合わせて“よりツッコんだ選び方”も一緒に考えますので、いつでも聞いてください。















昔の『はがきスタジオ』で作った住所録が入ったPCが、もう動かないんだけど、データだけなんとかならない?