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TSUKUMOがCore Ultra 7 270K Plus搭載ゲーミングPCを発売、55万円台の中身とは?

2026年3月27日、ヤマダデンキ傘下のTSUKUMOが、G-GEARシリーズの新モデルを2機種発売した。搭載CPUはIntelの「Core Ultra 7 270K Plus」、価格は549,800円と597,800円。ゲーミングPCとしては相当ハイエンドの部類に入る価格帯だ。

発売ニュースとしては1行で済む話だが、このマシンの中身を少し丁寧に読んでいくと、単なる新製品情報以上のことが見えてくる。「Plus」というCPUの正体、クリエイター向けマザーボードの採用、RTX 5060 Tiの謎仕様、そして55万円という価格の妥当性。順番に整理していく。

TSUKUMO、Core Ultra 7 270K Plus搭載ゲーミングPC発売
画像 : 令和8年3月30日 ツクモHPより

「270K Plus」とは何者か

まず気になるのが「Core Ultra 7 270K Plus」というCPUだ。「Plus」という名称に聞き覚えのない方も多いかもしれない。

これはIntelが2026年に投入したCore Ultra 200Sシリーズのリフレッシュ版にあたる。アーキテクチャ自体はArrow Lakeを踏襲しており、いわゆる「マイナーアップデート」の位置づけだ。主な変更点はクロック周波数の引き上げと一部キャッシュの調整で、まったく新しい世代のCPUというわけではない。

背景にあるのはAMDとの競合だ。Ryzen 9000シリーズ、特にX3D搭載モデルがゲーム用途での性能・価格比で高い評価を得ているなか、Intelはアーキテクチャを刷新する時間を稼ぎながら、リフレッシュで対抗している構図がある。

PC Watchに掲載されているCore Ultra 200S Plusの実機レビューによれば、ゲーム性能での改善は限定的で、マルチスレッド性能や動画エンコードなど並列処理が得意な用途」でより恩恵が出やすいとされている。つまりこのCPUは、純粋なゲームfpsよりも、配信・録画・エンコードを同時にこなすような使い方に向いている。

なぜゲーミングPCにProArtマザーなのか

次に目を引くのが、マザーボードの選択だ。採用されているのはASUSの「ProArt Z890-CREATOR WIFI」。名前のとおりクリエイター向けに設計された製品で、ゲーミング向けのROGやTUFシリーズとは異なるラインナップに属する。

このマザーボードが持つ特徴的なインターフェースを見ると、Thunderbolt 5が2ポート、10GigabitイーサネットとさらにPCの設計思想が見えてくる。2.5GbEの2系統LAN搭載、Bluetooth 5.4、Wi-Fi 7という構成は、ゲームのプレイだけを想定した仕様ではない。

Thunderbolt 5は映像キャプチャ機器や外付け高速ストレージとの接続に使える。10GbEはローカルネットワーク経由の大容量ファイル転送や、複数カメラ映像の取り込みにも対応できる帯域だ。つまりこのマシンは、「ゲームをしながら配信・録画・編集まで一台でこなす」という使い方を想定して設計されている。

TSUKUMOが製品説明で「ゲーム配信などで最大限のパフォーマンスを発揮する」と明記しているのも、この文脈と一致する。ゲーミングPCという名称だが、実態はゲーム配信者・コンテンツクリエイター向けのワークステーションに近い。

RTX 5060 Ti「16GB」と「8GB」の問題

下位モデルのGE7J-F261/ZBには、GeForce RTX 5060 Ti 16GBが標準搭載されているが、製品ページには「RTX 5060 Ti 8GBへの換装も可能」という記述がある。通常のBTOではスペックアップの選択肢を用意するものだが、ここでは逆にスペックダウンの選択肢が提示されているかたちだ。

この背景にはNVIDIAのRTX 5060 Ti販売戦略がある。RTX 5060 TiはVRAM容量が異なる8GBと16GBの2バリアントが存在しており、価格差は数万円規模になる。NVIDIAがこのような構成を取った理由については、価格帯を広げて購入層を広げる意図があるとみられているが、ゲーム用途でVRAM 8GBが十分かどうかはタイトルによって大きく変わる。

近年の重量級タイトル、特に高解像度テクスチャを多用するオープンワールド系ゲームでは、8GBでは不足するケースが報告されている。一方、eスポーツ系タイトル中心のプレイヤーであれば8GBでも問題は出にくい。

55万円台のハイエンド構成で8GBに落とすメリットはほぼないが、「換装できる」という選択肢を明示していること自体は、BTOとしての柔軟性という意味で評価できる。

55万円は高いのか

最後に価格の妥当性を整理する。同価格帯のBTO PCや自作と比べてどう見るか、という視点だ。

ドスパラやパソコン工房の同時期のラインナップを見ると、RTX 5070 Ti搭載でAMD Ryzen 9 9900X構成のモデルが45〜50万円前後で展開されている。TSUKUMOの下位モデル(RTX 5060 Ti 16GB)が55万円という価格は、GPU性能の観点だけで見ると割高感がある。

ただし、単純なGPU比較だけで判断するのは早計だ。今回のマシンはProArtマザーによるThunderbolt 5×2や10GbEを標準装備しており、これらをあとから追加しようとすると拡張カードやスイッチング機器で相応のコストがかかる。配信・制作環境としてトータルで組もうとしたとき、価格差は縮まる。

自作との比較では、同等スペックのパーツを揃えると部品代だけで45〜50万円程度になる計算だ。残り5〜10万円がTSUKUMOの組み立て・保証・サポートコストと見ることができる。自作の手間や初期不良対応のリスクを嫌うユーザーにとっては、許容範囲内の上乗せといえる。

このPCが「刺さる人」

スペックを並べると高額に見えるが、このマシンが想定しているユーザー像は比較的はっきりしている。ゲームのプレイ録画や生配信を日常的に行い、映像編集も同じPCでこなしたい。そういう使い方をしている、あるいは目指しているユーザーだ。

純粋にゲームのfpsを追求したいなら、同価格帯でAMD X3D搭載構成を選ぶほうが合理的な場面もある。一方、配信・制作環境込みで一台完結させたいという需要に対しては、このマシンの仕様は理にかなっている。

「Core Ultra 7 270K Plus」という新しいCPU名に飛びつく前に、自分の用途がどちらに近いかを確認してから判断するのが賢明だ。

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ピシコ
北海道苫小牧市でパソコンとiPhone修理業を営んでいます
三度の飯よりも修理好きでゲームとプラモが趣味
19匹多頭飼いするほどのハムスター好き
最近は筋トレでの減量にハマってます(←NEW)