
ある日、1本の電話が鳴りました。
「写真のバックアップって、お願いできますか?」
日常的な内容のようでいて、その裏にはたくさんの“物語”があるんです。今回のご依頼主様も、まさにそのひとり。パソコンが4台。そして、一眼レフカメラで撮り溜めたSDカードが2枚。合計して約150GB、ざっと写真にして15,000枚ほど。これらを1台のパソコンに集約して保存してほしい、という内容でした。
正直、最初は「おお、なかなかのボリュームだな」と思いました。ですが、作業に取り掛かるにつれて、ある思いがふと湧いてきたんです。
「この中には、何年分の記憶が詰まっているんだろう」
子どもの成長記録かもしれない。家族旅行の思い出かもしれない。大切な人との時間かもしれない。そんなことを考えながら、1枚1枚のファイルがとても重く、そして大事に感じられてきました。
ハードディスクの寿命、知ってますか?
今回の作業にあたり、私は真っ先にそのお客様のパソコンの状態を確認しました。すると……やはりというか、やっぱりというか、内蔵ハードディスクの経年劣化が進んでいました。まるで走行距離10万キロの軽自動車みたいな状態です。
「これは、いずれ動かなくなりますね」
そうお伝えし、新品のハードディスクへの交換も提案させていただきました。せっかく思い出を集約するなら、その“保存場所”も安心できるものにしておきたいですよね。
バックアップの二刀流
さらに私は、お客様に二つの保存方法をご提案しました。
ひとつは、外付けハードディスク。これは物理的に手元に残せる安心感が魅力です。災害時にすぐ持ち出せるのもメリットですね。
もうひとつが、クラウド保存(Google One)。お客様はすでにGoogleのアカウントをお持ちだったので、200GBプラン(月額440円)を導入することをご案内しました。クラウドの良いところは、スマホでも他のPCでもアクセスできる柔軟性と、自動での同期機能。これ、地味に助かるんです。
「どちらかがダメになっても、もう一方が残る」
これこそが、“本当に守る”という意味だと、私は思います。
余談:2TB契約してる私の話
ちなみに私はというと、今やGoogle One 2TB契約者です。ええ、月額2,900円という、まあまあ高いコースを使っています。
「こんなに容量いるのか?」
って毎月自問してるんですが、いざというときの安心感ってすごいですね。なんでもかんでも放り込んでおけるので、GPTで生成した画像も動画も、すべてこの中に入れています。
おかげで「このファイルどこ行ったっけ?」という地獄のような時間と、ほぼおさらばできました。使いきれる自信は……正直ないです。でも“余裕がある”というのは、それだけで心の安定剤になりますね。
データは、お金で買えない
最後に大事なことをひとつ。
写真は、何よりも大切な「記憶」です。
その記憶は、データという形で残っているけれど、もしも消えてしまったら、もう二度と手に入りません。壊れたHDD、フォーマットされたSDカード、ウイルス被害……どれも現場でよく見る光景です。でも、それらの多くは「保存の仕方ひとつ」で防げるんです。
だから私は、声を大にして言いたい。
「データは、お金で管理しましょう」と。
大切な写真、大切な記録。これからもずっと、手元に残していくために。どうか、あなたの“思い出”を守る仕組みを、今から考えてみてください。