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修理屋がこっそり使っている、地味だけどイイ!!バッチファイルの活用方法

修理屋がこっそり使っている、地味だけどイイ!!バッチファイルの活用方法

パソコン修理の仕事をしていると、毎日のように“ちょっとだけ惜しい状態”のPCに出会います。

  • 動くには動くけど、遅い。
  • 画面は出るけど、なんだか使いづらい。
  • 直ったはずだけど、どこかに引っかかりがある。

そして、そんなとき私は、こっそりUSBメモリを取り出し、いつものバッチファイルを使います。これ、言ってしまえば「地味な魔法」なんです。

ショートカットひとつで、使い勝手が変わる

ある日、Wordがどこにあるかわからないと困っていた70代のお客様がいました。

このパソコン、ワード入ってないのかい?

いえ、入ってます。でもスタートメニューに隠れてるだけなんです。そのとき、私はこういうバッチを静かに走らせました。

batコピーする編集するset desktop=%USERPROFILE%\Desktop
copy "%ProgramData%\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Word.lnk" "%desktop%"

するとデスクトップに「Word」のアイコンが出現。「あ!これこれ!」と指差して笑顔になるお客様を見て、「便利にするって、こういうことなんだな」と改めて思ったものです。

パソコンが速くなる呪文

動作が遅いってだけで、買い替えを考える方も多いですよね。でも、その前に一つやってほしいのが「高パフォーマンス」設定です。

batコピーする編集するpowercfg -setactive SCHEME_MIN
timeout /t 1 > nul
powercfg -setactive SCHEME_MAX

これだけで、まるで老犬に栄養ドリンクを与えたかのように軽快になります。…あ、いや、例えが悪いですかね。でも本当に変わります。

お客様の「何か変えました?」という驚きの声は、聞いていてちょっと誇らしくなります。

修理の最後は、お掃除が定番

内部を触った後、私は必ず一つのバッチファイルを走らせます。

batコピーする編集するdel /s /q "%TEMP%\*.*"
PowerShell -Command "& {Clear-RecycleBin -Force}"

要は、パソコンの“食べこぼし”を拭く作業ですね。

「ほら、なんかスッキリした気がしません?」って聞くと、「うん、気持ちいい」と笑ってくれるお客様もいます。この一言が、なんとも嬉しいんです。

意外と多い「勝手に立ち上がってうざい」問題

ZoomやLINE、Teamsあたりが起動時に勝手に立ち上がってくるアレ。もう設定画面を開いて説明するより、バッチでポンが楽です。

batコピーする編集するdel "%APPDATA%\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup\Zoom.lnk"

お客様に「あの子、やっと静かになったわ」と言われて、ちょっと笑ってしまったこともあります。

「PCどこいったの?」と聞かれたら、まずこの一手

修理の現場で、よくある質問のひとつがこれです。

パソコンの中身、どこから見れるの?

これはもう、Windowsの仕様に振り回されているだけなんです。だけど、お客様にとっては「ない=壊れた」なんですよね。

そこで私は、またUSBメモリをそっと挿します。このバッチファイルを実行するだけで、あの懐かしい「PC」や「ごみ箱」「コントロールパネル」が、デスクトップに現れます。

batコピーする編集する@echo off
:: デスクトップアイコンの表示設定(PC, ごみ箱, コントロールパネル)
reg add "HKCU\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\HideDesktopIcons\NewStartPanel" /v "{20D04FE0-3AEA-1069-A2D8-08002B30309D}" /t REG_DWORD /d 0 /f
reg add "HKCU\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\HideDesktopIcons\NewStartPanel" /v "{645FF040-5081-101B-9F08-00AA002F954E}" /t REG_DWORD /d 0 /f
reg add "HKCU\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\HideDesktopIcons\NewStartPanel" /v "{5399E694-6CE5-4D6C-8FCE-1D8870FDCBA0}" /t REG_DWORD /d 0 /f
taskkill /f /im explorer.exe
start explorer.exe

これ、ほんの数秒の処理なんですが――お客様の反応が本当にわかりやすいんです。「これよこれ!この画面にならないと落ち着かないのよね」と、ホッとした表情に変わる。

私はいつも思うんです。“直す”って、動作だけじゃないんだなって。“その人が普段通りに戻れるようにする”のが、真のサポートなんだと。

だからこそ、こういうバッチファイルには、地味だけど絶対に外せない価値があるんです。

バッチファイルの作り方(基本手順)

✅ ステップ1:メモ帳を開く

  • Windowsキー → 「メモ帳」検索 → 起動

✅ ステップ2:コマンドを入力する

例(エクスプローラーを再起動する場合):

batコピーする編集する@echo off
taskkill /f /im explorer.exe
start explorer.exe

✅ ステップ3:名前を付けて保存

  1. ファイル → 名前を付けて保存
  2. 保存場所:デスクトップやUSBメモリ推奨
  3. 「ファイル名」→ 〇〇.bat(例:reset_explorer.bat)
  4. 「ファイルの種類」→ すべてのファイル
  5. 「文字コード」→ ANSI(Shift-JIS系が好ましい)

✔ 保存後はダブルクリックで実行可能。
✔ 必要に応じて右クリック → 「管理者として実行」

地味だけど、大事なこと

バッチファイルって、黒い画面で一瞬何かが動くだけ。派手なUIもないし、操作も地味です。

でも、この“地味な工夫”を重ねることで、パソコンの世界にちょっとだけ安心感を加えることができる。それって、修理屋としての「気遣い」だと思うんです。

お客様が言葉にできない“違和感”を、そっと解消する。そんなことができる修理屋でありたいと、私は日々思っています。