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修理件数1万件突破!15年分のありがとうを込めて

修理件数1万件突破!15年分のありがとうを込めて

すみません、まず最初に言わせてください。――気づいたら、修理件数が1万件を超えていました。

これはもう、謝罪というより“びっくり報告”です。ある日ふと、「そういえば今まで何台くらい修理したんだろう?」と過去の記録をまとめてみたんです。そしたら……出てきた数字が「10,000台」超え。いやぁ、自分で言うのもなんですが、個人でこの数字はなかなか見ないですよね。

実際のところ、家電量販店に勤めていた頃の修理台数を含めると、約16,000台くらいになるのですが、今回は純粋に独立してからの「ピシコ」での実績だけをカウントしました。それでも、胸を張って言える節目です。

15年の積み重ねが、ようやく数字に

2011年の開業から、来年でちょうど15年になります。コツコツ、地味に、でも確実に積み重ねてきた結果がこの「1万台」。

他店と比べれば、1人で1万件をこなすというのは、やっぱりちょっと“変態的”な数字かもしれません(笑)。正直、もう少し早く達成できたかな?と思う気持ちもありますが、焦らず、手を抜かず、誠実に1台ずつ向き合ってきたからこそ、今があるのだと思っています。

「一番大変だった修理」…うーん、思い出せない

不思議なもので、印象に残る修理って“トラブル”よりも“うまくいった瞬間”なんですよね。自分で選定した部品がピタッとはまり、電源を入れた瞬間にサクッと起動した――あの瞬間は、何度経験しても小さなガッツポーズが出ます。

もちろん、うまくいかない時もありました。半田ごてを握りしめながら、「これ、ほんとに直るのか…?」と夜中に自問自答したことも数知れず。でも結局、そういう時間も全部“修理屋の栄養”なんですよね。

スマホ全盛期に“冬の時代”を過ごして

実は、修理件数の伸びが一時止まった時期がありました。それが、2011年以降。スマートフォンが爆発的に普及した頃です。

あの時代、パソコンは「ちょっと古臭いもの」と扱われがちで、私の仕事も一時期は“iPhone修理7割、PC修理3割”という状態でした。

でも、2017年頃から風向きが変わります。Windows 10が浸透し、BTOパソコンを使ったゲーミング文化が一気に広がっていったんです。「やっぱりスマホだけじゃ限界があるな」と感じた方々が、再びパソコンの世界に戻ってきた――そんな時代のうねりを、私は現場で肌で感じていました。

学生たちが“パソコンのある日常”へ

最近は、高校生の段階からパソコンを使うのが当たり前になりました。タブレットやiPadから卒業して、WordやExcelを触る。“学校の勉強道具”というより、“社会の入口”としてのパソコンです。

思えば、私が開業した頃とはまるで違います。昔は「パソコンが難しいからサポートを頼む」という時代。今は「自分で設定はできるけど、原因がわからないから相談する」という時代。お客様の知識レベルも確実に上がっています。

だからこそ、私たち修理店も“次のステージ”に進む必要があるんです。

修理屋は“便利屋”から“専門家”へ

昔は、ネット接続の設定だけでも感謝されました。でも今は、基板の損傷、電源ユニットの異常、SSDの認識不良――そういった“中身のトラブル”に対応できなければ生き残れません。

AIの時代だからこそ、人の経験が問われる。ChatGPTやGemini、CopilotのようなAIが情報をくれたとしても、「最終判断」はやっぱり現場で手を動かす人間の目と耳なんです。つまり、“職人の勘”がまだまだ必要な世界なんです。

これからの15年、その先へ

ふと計算してみたら、15年後には私は60歳を超えているようです。その時も、きっとハンダごてを握ってると思います。(老眼鏡をかけながら「見えねぇなぁ」なんてぼやきながら

お客様が「なぜ壊れたのか」を知りたい――その思いに応えるためには、修理技術だけでなく、「説明の技術」や「提案のスピード」も磨いていく必要があります。

AIと人間が一緒に知恵を出し合いながら、より早く、より丁寧に、より安心できる修理を。それが、これからの“ピシコらしさ”になるような気がします。

修理は“人生の縮図”

パソコン修理って、どこか人間の体に似ているんです。原因を突き止め、部品を入れ替え、時には延命もできる。でも、寿命があることも理解しなければならない。

だからこそ、1台1台に「ありがとう」と言いたいです。1万件分の感謝を込めて、これからもまた1台ずつ丁寧に。

16周年のときには、また笑って報告できるように――。これからも「ピシコ」を、どうぞよろしくお願いいたします。