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会わせたい人がいる──そう言われたとき、私が選んだ”NO”

ある日の昼休み、LINEに届いた一通のメッセージ。

今度、会わせたい人がいるんです。そういったことも含めて、またお店に伺ってもいいですか?

いきなりの提案。しかも、パソコン修理の相談とは明言されていない。その文面を読んだ瞬間、胸の奥に何かザラっとした違和感が残ったのを今でも覚えている。

その後のやりとりでも、「パソコンの調子が悪くて」といった具体的な相談は一切なく、「紹介したい方がいる」といった曖昧な言葉ばかり。どう考えても、修理相談には見えない内容だった。

私の仕事は、パソコン修理が中心です。機械のトラブルを直すこと、必要とされる作業を確実にこなすこと。それが日々の営みです。ジャンクパーツを通してちょっとしたやりとりをすることもありますが、それはあくまで”パソコンの話”の範囲内。

ところが今回は違いました。「会わせたい人がいる」「そういったことも含めて」──この言葉は私にとって、修理の延長ではなく、別のビジネスやネットワーク的な話に聞こえてしまったのです。

そう思ってしまったのは、過去の経験があるからです。最初はお客様として来店され、その後しばらくしてから「こんな人がいて」「紹介したくて」などと、じわじわと距離を詰めてくる。

まるで、こちらが断りにくくなるタイミングを狙っているかのように──。

私は、断る決断をしました。はっきりと、「そのようなご紹介は一切お受けできません」と(実際はめっちゃ長文を書きました)。

理由は簡単です。私は、自分がやりたいことに集中するためにこの仕事をしています。そして、そのスタイルを守るために、日々いろいろなことを見直し、やること・やらないことを少しずつ選んできました。

決して器用な人間ではありませんが、そのぶん、自分にできることを大切にして、丁寧に仕事を続けていきたいと思っています。だからこそ、「これはちょっと違うな」と感じたときは、無理に受け止めず、少し距離を取らせていただくことがあります。

怒りがなかったと言えば嘘になります。ですが、それ以上に残念だったのは、「なぜ私がこんなやりとりをしなければならなかったのか」という虚しさでした。

人の親切を疑いたくはない。でも、その言葉の中に別の意図を感じてしまったとき、私は自分を守る方を選びます。

パソコン修理という仕事は、決して華やかではありません。ですが私はこの仕事が好きで、この形で続けていきたいのです。

だからこそ、言葉を選びながら、でも迷いなく伝えました。

申し訳ありませんが、そのようなご紹介はお断りいたします。今後もパソコン修理以外の目的でのご連絡はご遠慮ください。

今、少しだけ胸が軽くなっています。

怒りや疑念を溜め込むより、きちんと整理して、自分の言葉で線を引く。

この経験を通して、自分の仕事の意味、自分の時間の重み、自分の境界線の大切さを改めて感じました。

もし同じような経験をした人がいたら、無理に我慢せず、言葉にしてみてください。

怒ってもいい。不快に思ってもいい。

でも、それを自分の中にしまい込まず、自分のルールとして整理することができれば、きっと次はもっと楽に、もっと自然に断れるようになります。