
今日は雑談から始めましょう
今日はちょっと肩の力を抜いて、雑談をさせてください。私の仕事柄、お客様からよく聞かれる質問があります。
「いつ勉強してるんですか?」
「新しい修理の情報ってどうやって手に入れてるんですか?」
たしかに、日々いろんなトラブルが舞い込んでくるので、不思議に思われるのも当然かもしれません。
修理業はお医者さんに似ている?
私はよく、自分の仕事を“お医者さん”に例えて考えることがあります。もちろん本物のお医者さんと比べるのは恐れ多いのですが、似ている部分があるんです。
例えば病院に「お腹が痛い」と言って来る人が多ければ、先生方はその症状に合わせていろんな処方を試すでしょう。そして患者さんが「効きました!」と元気になってくれれば、次に同じ症状の人が来ても迷わず対応できる。
私たち修理屋も同じで、「電源が入らない」とか「画面が映らない」といった“よくある不具合”に繰り返し対応していくうちに、効き目のある処方箋が増えていくわけです。
リピーターがないのが良い仕事
ちょっと不思議に聞こえるかもしれませんが、修理業にとって「リピーターがない」のは良いことなんです。つまり、一度直した不具合が再発しないということ。
もちろん、修理を諦めて去ってしまうお客様もゼロではありません。正直、それは心苦しいです。でも多くの場合、一度直したら「その件について再度連絡がない」=「修理は成功した」と考えています。
ある意味「来ないのが一番の褒め言葉」という、ちょっと特殊な仕事ですね。
部品を替えれば直る、だけじゃない
機械の修理って、人間と違って「部品を替えれば直る」ことが多いです。ただし、すべての人が部品交換を望むわけではありません。
「予算的に難しい」
「今の部品をどうしても使いたい」
そんな理由で交換を避けたい方もいます。そういうときこそ、私たち修理屋の腕の見せどころです。
いきなり交換するのではなく、まずできる限りのことを試す。ステップを2つ、3つに分けて段階的に修理を進めていく。そうすれば、最小限の工賃で済むこともあるし、逆に快適さを優先して部品を交換したい方にはしっかり対応できる。
この「間のステップ」を積み重ねることが、私たちにとっての一番大切な仕事なんです。
修理の知識は成功体験の積み重ね
お客様に「どうやってそんな知識を身につけたんですか?」と聞かれることがあります。
答えはシンプルで、ひとつひとつの修理の成功体験の積み重ねです。最初はお客様と同じスタートラインから始まります。でも、これまでの経験や工夫を引き出しから取り出すことで、違う角度から問題にアプローチできるようになる。
つまり「知識を増やす」というよりも、「工数を惜しまない」ことが一番大事なんだと思います。
手抜きをしないことが近道
結局のところ、修理で一番大事なのは「手抜きをしないこと」。美学としてではなく、本当にそれが一番の近道なんです。
遠回りに見えても、手を抜かずにひとつひとつの不具合と向き合うこと。そうすることで結果的に、次に似たような症状が来たときに最短で解決できるようになります。
修理屋という仕事は、そんな小さな積み重ねの連続なんだと、日々感じています。
もしこの記事を読んで「なんか病院の先生と似てるな」と思ったら、きっと私の伝えたいことが届いた証拠です。パソコンの調子が悪いときも、気軽に「お医者さんに相談する感覚」で声をかけていただければ嬉しいです。