現代の子はきっと知らないMotherのお話
1989年7月27日、私が12歳の頃発売されたファミリーコンピュータ用のRPGゲームのタイトル「Mother(マザー)」。世界観は現代風との事ですが日本ではなくアメリカのような所が舞台、主人公は少年でバットで攻撃し超能力が使え、パーティーとなる友人たちはペンシルロケットやフライパンで戦うなど、小学生だった私はその等身大の世界観にどっぷりと浸かりました。
私の家は当初ではそれほどゲームソフトをいつでも買って貰える環境にはなかった事から、裕福だった友人から1日借りて遊びその余韻で半年を過ごし、お年玉で中古を購入して更に遊び倒した記憶があります。何故それほどまでにハマったかと言えば、子供心に強烈にインパクトのあるストーリーがあり、うろ覚えですが主人公の身代わりになる生き物のフライングマンという生き物で、話しかけた直後に「アナタノチカラニナル、ソノタメニウマレテキタ」という台詞を良い即座仲間になり、進行でダメージを身代わりに受けてどんどんと死んでは入れ替わるという流れ。
年齢的にも幼かった事から、身代わりになって死んでゆくフライングマンを見て、胸がざわつく演出にエンディングまで間張ってみようという気持ちを奮い立たせたなんとも不思議なRPGゲームでした。そんなMotherはシリーズとして3作出しているのですが月日は流れて、30年ぶりに台詞を収録した書籍が出るとのこと。
それが「HOBONICHI MOTHER PROJECT」と言われた、このマザーの脚本家となる糸井重里さんが手がけるプロジェクトの1つだそうです。
もちろん、このプロジェクトで発売されるであろう商品は買い漁る事になるのですが、個人的にはまた続編を出して欲しい気持ちがあり、これはなんとか手がけて頂けないかと願っております。早朝にしかゲームを許されていなかった当初では布団に包まりながら眠たい目をこすりながら躍起になって遊んだゲームの思い出とあの感覚を、もう一度味わいたいものです。
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